2011/09/17

あずみの自然農塾9月・1日目


 9月17日土曜日。
今月もあずみの自然農塾の日がきました。
秋分に近づく今日あたりまでが、このあたりでの冬野菜の蒔き時とのこと。
天気は、くもり。
雨の降りそうな雲もあり、合羽を用意して畑に向かいました。
途中、8月にみんなで粘土団子を蒔いた(投げた?)所を見てみました。
クローバー類が芽を出していましたが、ほとんどの種は休眠中でした。


 今月はニンニクや冬野菜の種蒔きです。
シャロムの畑を見学しながら、冬の野菜について学びます。

・中葉春菊
おもに関東で作られる春菊。関西は大葉が多い。
頭を収穫しても、そのあと順にわき芽を欠いて収穫できる。
春にはどんどん育って花が咲いてしまうが、秋はのんびり、1ヶ月収穫できる。

・ニンジン
間引きをして最終的に1本1本の間隔を、握りこぶし1つ分くらい空ける。
秋はゆっくり生長する。
五寸ニンジンは大きさが五寸(約15センチ)。それ以上になると破裂する。
それぞれ品種によって生長できる大きさは決まっている。
小さいニンジンはより早く収穫できる。
葉っぱはキアゲハの幼虫が好む。


・ホウレンソウ
ホウレンソウの色は、シュウ酸が多いほど濃い。
シュウ酸があることによって、食べる虫がいない。
鉄欠乏になると、葉が黒と黄のまだらになる。

ホウレンソウ、ブロッコリー、タマネギは、自然農で育てるには、土ができていないとむずかしい。

・白菜
白菜は一年草。(⇔キャベツは多年草)
オニバ(土台、外側のロゼット状の葉)が大きくなっていないと、葉が巻かなくなる。
1日に1.5枚出て重なっていき、巻いてくる。1枚ずつでは巻かない。
遅く蒔くと巻かない。巻かないが、菜の花として採れる。
巻くと新芽が出にくくなる。
コンパニオンプランツはレタス、春菊。
白菜の苗を植えるときは、葉が3,4枚の時に植える。
5,6枚のころになると、もうどれくらいの大きさになるか自分で決めている。
種で蒔く場合、葉が3,4枚の時に1回目の間引きをする。
一番いいものを残す。15センチ間隔に、根っこを残して地上部のみハサミで間引く。
葉が5,6枚の時に2回目の間引きをする。
葉が触れ合ったら間引く。
株間は、ミニ白菜で30~35センチ、大きい白菜で40センチにしていく。

・キュウリ
夏野菜のキュウリは、1本が約80グラム。1本の木に20~30本成ればOK。
肥料をやって育てると120本も成るようになる。
1本の木に成るキュウリの量は決まっていて、1キロの大きなキュウリを採ろうとすると2本しか採れない。

・自然農法の種は、寿命が長くなる。
種の数は少ないが、命は濃厚になる。
種は休眠する。10年など眠っていることがある。


 畑の中に、そろそろ終わりかけの夏野菜と、これから生長、真っ最中の冬野菜が同居して、少しも無駄なスペースのない、絶妙な仕事と、季節の移ろいを感じることができました。
最初にしっかり畑の計画を立てるのも、本当に大事なことなんだと思いました。


 みんなでニンニクの植え付けをしました。


・ニンニク
ニンニクはタネイモでふえる。ネギ坊主をつくる。
タネイモは大きなニンニクを選ぶ。
自分の地域の気候に合ったニンニクを選ぶ。
暖地で作りやすいニンニクは片がいっぱいあるもの。においが強い。
寒い地方は青森六片など1片が大きい。こくがある。

薄皮をむき、1片ずつに分ける。
底の硬い部分が茎なので、茎を残さず取ってしまうと芽が出てこなくなる。
硬い部分を1片ごとに残すように分ける。
1片のニンニクは、密に植えておくと六片ニンニクになる。

自然農の場合、1週間くらい早めに植える(寒冷地は特に)。
ニンニクは冬眠するので、冬になる前にいかに根っこを作るかが大事。

植える場所を決め、草を刈る。
夏野菜の後など、肥えている場所を選ぶ。
移植ゴテなどでニンニクの2倍の深さまで掘る。
ニンニクがもう1個上にのるくらいの深さに上向きに置く。
間隔は15センチくらいにする。(無臭ニンニクの場合は種類が違うためもう少し広めにする)
土をかぶせ、軽く押さえる。
刈った草を敷く(たっぷりと)。保湿、保温の効果がある。
間隔が近いほうが、お互い協力しあう。

冬眠するまでにどのくらい根っこが張ったかが重要。
葉が5枚くらいで冬越しする。
トウが立ってきたら取る。根に養分を集中させる。
収穫は6月下旬。関東は5月下旬くらい。

注意:売っているニンニク(種用)は絶対に食べてはいけない。

 みんなで一列になりニンニクを植えました。
作業の途中で、とうとう雨が降ってきました。
急いでなんとか植え付け完了。
ビニールハウスに逃げ込みました。


 雨宿りの間に、ホウレンソウの種の説明を受けました。
赤い丸い種が、朝霧(あさぎり)、チクチクとがった種が従来の日本のホウレンソウ。

     

・従来の日本のホウレンソウは、葉はギザギザ、茎は赤く、種もギザギザとがっている。
葉はロゼット型。寒さに入らないと芽が出ない。
寒さに強く、暑さに弱い。
種は硬く、皮に発芽抑制物質があるので、蒔く前に一晩水につけておく。
発芽率を上げるために多めに蒔く。多めに土をかぶせておく。
水に浸さないほうが芽がよく出る(?)
発芽がバラバラなので、バラバラの時期に収穫できる。
収穫は、ハサミを土に入れて根の部分から切る。

・西洋系は、葉の形が丸く、茎は赤くない。いわゆるポパイのホウレンソウ。
葉が丸いので、重なってしまい、間引く必要がある。

農家の選ぶ市販の種は、おいしさではなく、収量、病気に強いかどうかが重要だそう。
機械で蒔くため、赤くて丸い種が選ばれる。
溶けるテープに種をつけて蒔くシードテープなどもある。
ネイキッド種子といって、種皮を取り除いたものもある。
                                               

 雨も上がり、再び畑へ。
先月みんなで蒔いたソバは・・・・残念ながらほとんど発芽していませんでした。
刈っておいた草が元気に復活?して、埋もれるようにソバがちらほらと。


ここでのソバの収穫はあきらめ、代わりに野沢菜を蒔くことになりました。
前回のソバの時と同様、まずは草の上からバラバラと野沢菜の種を蒔いていきます。
次に、生えている草を地ぎわから丁寧に刈って倒していきます。





倒した草の厚みが均等になるように、草を広げていきました。
今度は、無事に育ちますように。

 
 残りの時間で、各自の畑の手入れ、収穫などを行いました。





 気づくと空にはきれいな虹が出ていました。



 夕食は裕子さんの料理です。
今回も本当に素敵でおいしい料理ばかりで、大満足でした。





1日目レポート担当 山口