2012/05/19

あずみの自然農塾5月・1日目


開催日: 5/19(土)
報告者: 荒木基臣(MOTO)
1日目 天気: 晴れ

自然農塾初めての(?)良い天気
安曇野から見る山々ってこんなにきれいだったの?!(笑)

高速バス遅延で参加者少なくスタート

1ヶ月後の皆の畑は草ぼうぼうで、
植えた作物が見つからない。
いや、作物どころか自分の畑が見つからない。

やっとの思いでまず葉モノ野菜は見つけたが
シロウトなので野草と作物の区別がつかない・・・。
すると野草もやたらと刈れない。
ど~しよう。教えて~ぐっさん!竹内さん!


以下畑にて竹内さんの講義より
1.草刈り
1.1【野草の観察】
(1)「カラスのエンドウ」が多い土地は痩せている
カラスのエンドウが生えると土は肥やされる。
(2)「ハコベ」は冬草なので夏には衰退していく
刈って敷いてあげる。(草マルチ)

1.2【草刈について】
(1)野草はいっぺんに刈らずに
畑内を交互になど野草と作物の共存
バランスを考えて刈る。

(2)茎が残っていると倍の量になるので
土のなかに浅くノコギリ鎌を入れて
草を刈る。
(3)前に進みながら刈ること。

(4)作物が野草に負けてたら同じ背丈で刈って
作物の所に敷いてあげる。

1.3【葉物野菜の草刈について】
キャベツ、レタス等の葉物野菜は
葉が開いている分だけ根がある。
最低限葉が開いている+α分を刈る
1ヶ月草刈出来ないので5 cmくらい
広めに刈る。
刈った草を野菜の根元に敷いてあげると
根元が乾燥しづらい+草が生えづらい。

1.4【葉物野菜の葉のしくみ】
また野菜も横に広がっていく
雨をキャッチし根に水を送りやすいように
横に広がっている


2【選定 間引き】
2.1 ゴボウ
2.1.1【間引きについて ゴボウ】
種まきをして密集している所をハサミで切る。
根を抜くと隣の芽も取ってしまう為
葉と葉が触れ合わない程度の距離に間引く。

2.1.2【間引きの選定基準 ゴボウ】
ゴボウの新芽で
葉を横に開いているものを
残しておく。(根の横への張りが良い為)
根を横に広げようとしているから。
しかし大きくなってからは葉を上に
向けているものを残す。
ゴボウとして根を深く入っている為で
大きくなって横に葉を広げるゴボウは
二股の根になっている。

2.2 ニンジン
2.2.1【間引きについて】
約1 cm間隔にするように間引く。
【間引きの選定基準 ニンジン 大根】
茎が太いものを残す
太いと太い根を残す

ニンジンの新芽はおいしい。


2.3 じゃがいも
2.3.1【ジャガイモの新芽】
芽が埋まらない程度に土寄せ
芽が大きくなったら繰り返し土寄せする。

2.3.2【間引きについて ジャガイモ】
5~6本茎が出てしまった場合は
2~3本に間引く。
じゃがいもの芽は食べないほうがよい。

2.3.3【間引きの選定基準 ジャガイモ】
太い茎を残して2~3本に
ナス科にはテントウ虫騙しが付く。
生ゴミ未熟な有機物を与えると
テントウ虫騙しが増える。
増えると注意!

2.4
【ねぎの保守】
草マルチを一度どけて
軽く土寄せすると白い部分が増える。
土寄せしたら草マルチを元に戻す。

ねぎの根はヒゲ根でゴボウ根が無く、草に弱いので
草はよく刈った方がよい。


3.【夏野菜の植える時期】
遅霜-初霜の間に育つ野菜を「夏野菜」という。
夏野菜は地面が暖かくないとダメ。土の温度が大切!

天気予報での最低気温より土の上の温度は低く
3℃くらいでも地表は霜がおりてしまう。
(特に晴れて放射冷却が強いとき 風が無いとき)

3.1【大麦小麦は夏野菜を植えるバロメータ】
大麦の穂が出る頃は平均気温が15℃
→夏野菜の種を蒔ける。 
苗は平均気温16℃くらいが植え時。

3.2【藤つるは霜のバロメータ】
ちなみに長野は朝晩まだ寒く遅霜が出て
夏野菜はやられてしまう。
目安としては藤の花が満開になると霜が降りなくなる。

3.3【枝豆を植える時期】
枝豆は5月末~6月末に種を植えるのが良い。
それより前に植えると鳥の好物の虫が少ない為
枝豆が鳥のえさになってしまう。
鳥目で見えない夜に植えるという方法もある。

対処だけするのでなくて
被害を受けた時と受けなかった時の違いを見極め
本当の原因を見つける→自然の理=自然農

「季節の便り」って大切ですね。


4.【苗を配る】
【苗の選定基準】
自然農では苗が若い事
根を張る前の苗が良い。

4.1 ナス4種
・真黒早生
・ベルナーロゼ
・在来ナス: 身が少ないが土が肥えてなくても育つ。
・ローザビアンカ(紫と白のナス)

4.2トマト
(1)大玉(2種)
(2)ミニトマト
・シュガーランプ    : 環境によって実の大きさが変わるが適応力がある
甘い
・ゴールデンナゲット  : 黄色の実で甘い
・ワッツワイルドチェリー: 原種
(3)中玉 
ピンク中玉   : 種取しやすい
・サンマルツァーノ: イタリアトマト ソース用 加熱すると甘くなる
半分にしてフライパンに乗せ暑い車中などでセミドライ 
保存の為エキストラバージンオイル オリーブオイル等であえる。
・ストロベリートマト: 食用ほうずき 果物の味

4.3バジル パセリ セロリ
トマトと相性が良い
・スイートバジル 
・ホーリーバジル
・ダークバジル 
・イタリアンパセリ
バジル スープセロリ はトマト ナスの株元に植えるのがよい
普通のパセリとトマトを一緒に植えると パセリが溶けて無くなってしまう

4.4 ピーマン
ナス科 
甘党辛党がある。  パプリカ ピーマン 獅子唐も全部同じピーマン 
・伏見あまとう
・伊勢ピーマン

4.5 カボチャ
・冬至かぼちゃ: 実の数は少ないが保存が効く
・クリボー  : 小さいかぼちゃ
・日本カボチャ: 菊の御紋のような形

4.6オクラ 
・シマオクラ: 沖縄産
大きくなりにくく たまにしか畑にこれない人向き

4.7 とうもろこし 
・味来390: 背が低く自然農に適する 
甘い
6本以上一カタメに作るのがよい
1ポットを割って苗を分ける

4.8 ウリ科
きゅうりは毎日取れて ほっとくと黄色になるので
毎日畑に行ける人向き
・善光寺きゅうり

スイカ メロン
・マクワウリ: 育てやすい



・・・ 畑終了後
一同新装開店の「ほりで~湯」で疲れを取る。
食べたら止まらない!美味しいタイカレー他の夕食後
シャロムヒュッテ内 夜の講義で

1.【豆】
1.1 【畑が肥える豆の根粒菌】
豆を植えると野菜がよく育つと言われる

科学的な証明はまだないが
豆は水分の6割を根から放出すると
根にいろいろな菌がついてくる

根粒菌を呼び寄せる

根粒菌が
窒素を空気から固定することが出来る 

土が肥える

ただしネギを近くに植えると
ネギの殺菌作用が働くのか作用しない
ネギと豆は30cm以上離す

1.2 【豆を蒔く時期】
豆は水を良く吸収する
大豆は安曇野では6月に蒔かないと実を付けない
早い時期には蒔かない事
夏至を過ぎないと実を付けない
⇒日が短くなると実を付ける

枝豆は品種改良されて日が長くても実を付ける。
(夏+ビール向けに改良)


菌根菌: リン酸を吸収する能力が高い
根にリン酸をキャッチする手(表面積)が増える
アブラナ科以外にはすべての植物についている 

1.3 【豆の種類】
・ゴクワセ(極早生): 70~75日で収穫
・ワセ (早生)  : 80日前後で収穫
収量は少ないが体を大きくせずにコンパクト
他の野菜と合わせて植えると邪魔しないし
土を肥やすし収穫があるし便利!

・ナカテ(中手)  :90~95日で収穫
・オクテ(奥手)  :100日以上で収穫
・大豆      :120日以上で収穫
体を大きくするので離して植える

1.4 【相性 コンパニオンプランツ】
枝豆          : 何とでも合う(ネギ以外?)
水分を良く吸収する(元水田などに植えるとよい)
落花生         : なすトマト ピーマン
乾燥地帯向き
ツルなしインゲン(極早生): じゃがいも
ツルなしインゲンは一斉収穫出来る

インゲンはセンチュウを増やす。
センチュウのいる畑でインゲンは不向き
対策→落花生を植える

1.5 【豆の品種】
人気の品種ほど種に農薬付いてます。
ねずみには有効
・極早生オオサヤ枝豆 : オクハラワセのコンパクト版 
コンパニオンプランツ向き
・タンクロウ枝豆   : 黒豆
・ボンカオリ     : 中手 福島の品種 お盆の頃に香りの高い枝豆が取れる 
・シンコダイラ茶豆  : 中手 育てにくいが糖度、香りが高い
・穂高インゲン    : ツル有り だらだら収穫 穂高在来 
・カルナ       : ツル有り 一斉収穫
・落花生(千葉ハンダチ): サヤがあっても無くても蒔ける 茹でても炒ってもおいしい


2【とうもろこしの種】
しわくちゃな種ほど甘い 甘いほど発芽率は悪い
種は"とがった方"を下にして植えると収穫率が上がる

3 【サツマイモ】
(1)苗はツル 栄養生殖 白い根の先に芋が出来る 植えると茎は枯れて根が出る。
くたびれた茎のツルのほうが根を張る準備が出来ているので
わざと1、2日放っておく。
但し買ってきた苗は見た目を良くする為水に浸しっぱなしで輸送されて来てるので(水根)
植える前日に水につけて
植える事。

(2)周りの草を良く刈る事 ねずみが増える為
サツマイモは形と味は関係する 適当な細さなものが美味しい 太いと大味

3.1【植え方】 
植え方によって出来が変わる。
・フナ型: 茎を横に倒して(斜め45度くらい)遠くに芋が出来る。50cm(以上)間隔で植える。
3~4枚葉を出して植える。 たくさん芋が取れる。 芋が遠くに出来る。 
量を取りたい人用。 形は不定形。 
・直出し: まっすぐ上に向けて植える。 形がそろい、味よい 一般農家的植え方

3.2【苗の種類】
・ベニアヅマ      : 早生で育てやすい
・ニンジン芋      : ベータカロチンたっぷり オレンジの芋 ねっとり系で干し芋向き
・パープルスイートロード: 色がきれいで美味しい  干し芋向き(皮ごと干す事)
・黄金(コガネ)せんがん  : ほっこり系 白色 芋焼酎になる。

以上5/19は終わり