2012/05/20

あずみの自然農塾5月・2日目

2日目は、田んぼから1日の作業開始です。7:15にシャロムを出発し、柏矢町の田んぼに向かいます。前回の4月に、みんなで種籾を降ろした苗代が、どんな感じになっているのか、わくわく、どきどき…。

田んぼに到着。視線は自ずと苗代に集まります。前回は、種籾をきれいに並べて土に埋め込んだあと、燻炭やワラを振りまき、重しをのせて不織布をかけておいたのでした。みんなで苗代に手を伸ばして、丁寧に丁寧に、作業をしましたね。

さて、このひと月の間、田んぼのお世話をしてくれていたぐっさんにより、ワラは取り除かれ、不織布で苗代が覆われています。

芽が白く出てきたら、ワラは取り除くのだそうです。そうしないと稲が弱くなってしまうとのこと。そして、霜から守るため、不織布をかけておくのだとか。


わたしたちが留守にしている間も、そうした、きめ細かな仕事があるのですね。


不織布を取りはずすと…

うわー、育ってる!
あんなにちいさな種から、こんなにピンピンと!

稲の苗は、ツンツンしてて、かわいいですね。
品種のちがいが、くっきりとわかります。向こうから「ハッピーヒル」「黒米」「農林48号」です。






見えますでしょうか?
黒米は、すでに先端が黒いんですね。ポリフェノールを含んでいるからだそうです。

では、ここから稲のお世話がはじまります。




…と、ご覧ください!
たけさんが稲の苗を手で押し潰しています!

なんでなんで?
実は潰しているのではなく「倒している」とのこと。根を逞しくするために行うようです。土が盛り上がってしまっているところも、平らにならしていきます。

足で踏んでもいいそうです。ほんとうに大丈夫なのかな〜?と、躊躇われますが、これも、丈夫に育ちますように、という気持ちで行うことが大切なようです。

何ごとも、どういう心で行うかということが肝心ということですね。 この後は、みんなの手の平で優しく強く、心を込めて苗を倒していきました。


本日の稲のお世話はここまで。今日の田んぼでのメインイベントは「畦塗り」です。

畦とは、畝と畝の間の通路のこと。畦塗りは、土を堤防状に盛り上げて、畝との境目を土で塗り固め、きれいな水路にします。

代掻きをしない自然農の田んぼでは、特に畦が大切という強調がありました。水が漏れないように、そしてモグラが通らないように、しっかりと塗り固めることが必要なようです。

通常、畦塗りの作業は、 3日に分けて行うとのこと。
・1日目:草を刈り、土を削って、水を通す。
・2日目:水分を含んだ土を盛り上げる。
・3日目:壁面を塗り固める。
自然農塾ではこれを半日で行います。大忙し〜!

まず、【1日目】に該当する作業です。ノコギリ鎌のご用意をお願いします。

水路の壁面となる斜面の除草をします。通路(上部)はさておき、この壁面を丁寧に草刈りすることが重要とのこと。

写真のたけさんのように、右利きの人は斜面を右肩にした方が、作業がし易いというアドバイスもありました。


そして、みんなで田んぼを取り囲んで、草刈り中。草は例によって、地際で刈ります。 根っこを土の中に残しておくということです。

葉は発酵するので、水を弾いてしまい、せっかく塗った畦が禿げてしまうそうなので、ここはとっても肝心なところ!
黙々、もくもく…。 牧歌的な光景が繰り広げられています。

さて、田んぼは、言ってみれば沼地。一方でその端っこは土、要は畑ですね。なので「端(ハタ)=畑」ということなんだそうです。 というわけで、今、みんなで沼をつくる準備をしています!



ここで少し脱線。壁面を除草する際のノコギリ鎌について。

刃を少し湾曲させておくと、扱いがいいようです。 右の写真で、たけさんが左手(写真では右側)に持っている方が、湾曲させた鎌です。ほんの少し、曲がっていることがわかると思います。

そしてついでに、次の作業で使う鍬(クワ)についても。これまでに何度か紹介もありましたが、自然農では、柄の先が刃の下側に出っ張っていないタイプの鍬が重宝するとのことです。畝立てでの土の鎮圧しかり、今回の畦塗りでの左官仕事しかり。

こうした道具選びや、道具の扱い方のワンポイントレクチャーがあるのも、自然農塾のいいところ。


本線に戻りまして。「1日目:草を刈り、土を削って、水を通す。 」でした。除草した斜面の土を削ります。

畦塗りのイメージとしては、土を「崩して、戻して、かけ直す」という感じ。斜面の土を崩して、地面に戻し、水でこねて、また斜面にかけ直します。急斜面にしないよう注意して土を崩します。
 
 次に、水を流します。

 放水!





どんどん流れる〜。

気持ちいい〜。





…と思ったのは最初だけ。蛇口から遠い場所へは水が流れにくいので、 みんなで水を渡していきます。

脚でぶらぶらさせたり、歩いてみたり。



そして、こうして歩きながら、土をこね、ドロドロ状にしていきます。粘土感が足りないところは、足で踏んだり、鍬でこねたり。

こうした作業に意外と時間がかかりました。



苗代の周辺にも水が入ります。 こうして、苗を田んぼ用に切り替えるのだそうです。

たしかに、陸で育てておきながら、いきなり水へドボン、はしんどいのかも知れません。いつもながら、相手に配慮する優しい視線を感じますね。




水路に水が渡ったら、次には【2日目】に該当する作業です。「2日目:水分を含んだ土を盛り上げる。」でした。

水路に水が充分に通り、ドロドロの土の状態であることを確認します。

そして、鍬で水路の土をすくいます。 水分を含んでいるので、ぐっと、力を入れて。



鍬をナナメにして水分を切り、そっと、斜面に土を盛ります。

ここまでが、「土を盛る」作業です。




同じ作業を、スコップでやっても、手でやってもOK。






要は、水分を含んだ土を、しっかりと斜面に盛り上げましょう!通路(上部)に盛るのではないので、ご注意を。あくまでも、斜面側です。







そして最後、【3日目】に該当する作業です。「3日目:壁面を塗り固める。」です。

鍬でスーッと、壁面をならしていきます。もちろん、手の平で同じようにすることもできます。(そしてこのあと、指で描かれた畦アートがあちらこちらに…。)




塗るときは、壁面の上部から進めていき、高い方から低い方へと仕上げていくといいようです。また、低いところのキワは見落としがちなので、要注意とのこと。

そして、建物と同じく、部分補修はもろく崩れやすいので、面でビシッと塗ってくださいと。

こうして、きれいに塗ってあると、モグラなどに穴を空けられた際に発見しやすいという利点もあるようです。何ごとも万事を尽くしておくと、思わぬ時にも最小の被害で乗り越えていけるのですね。

畦塗りはこれで終了です!

塗った畦は、急に乾燥をさせるとひび割れの元となるので、2〜3日は湿り気が残る程度がいいそうです。

畦塗りが終わったところで、稲と田んぼについての解説をまとめておきます。次回、6月の田んぼの講義の際に、よりくわしく説明があるのではないかと思います。

・田んぼは、草の成長を抑えて、稲の生育を促進する方法と言えます。水が張っていないうちに生えてくるのは畑の草。それを水で抑えます。水の高さをコントロールして、草を抑えるという巧みなことをするようです。

・一方で、稲は「水陸両用」なので、水に負けることがありません。ただし、水陸両用とは言え、根が違うとのこと。なので今回、苗代の周りに水を通し、水田用の根に切り替えて行きました。

・自然農の田んぼでは、「根が肝」という言葉もありました。水をなみなみにせずに、細かく調整するようですね。人間の効率重視ではなく、お世話している相手の状態に添って、丁寧に対応をしていくのですね。

・「呼吸」という話もありました。水陸両用を果たすため、稲は茎から根へ酸素を送っているそうです。 そうだとすると、なおのこと、急激に水を張ったりはできませんね。

・それから、草と除草剤と肥料の話。田んぼあたりに採れる作物の量は決まっているそうです。草が増えると、相対的に言って稲の収量が減ります。また、肥料を使うと、必然的に草の量も増えます。そして、除草剤を使うようなことにもなります。こうしたことから、丁寧に草取りをすることが、いかに大切な仕事かということがわかりますね。

・ちなみに、化学肥料を使った稲は、自然農の稲よりも背丈が大きいそうです。肥料の分だけ、余分に大きくなっているということのようです。機械植えだと4〜5本植える苗も、自然農では1本1本がしっかり育つように、伸び伸びと、強く育てるということで、対照的という話でした。

・また、安曇野市のある長野県は、米の収量が多いそうです。これは、夜中に涼しいため、病虫害を抑えることができていることの影響が大きいそう。寒いことがこうした利点になることもあるのですね。


おや?
なにやら、ぐっさんの周りに黒山の人だかりが…。






田んぼの住人、オケラやドジョウさんたちでした。自分たちが行う作業だけではなくって、そこにいる生き物たちを紹介してもらえるのも嬉しいことですね。

時として、(人間にとっては)迷惑な働きをするものもあるのでしょうけれど、どう共存していくのかを考えるには、まず相手を知らないと始まりませんものね。


畦を塗り終わった後は、番外編です。まず、その1「畦豆蒔き」。ちなみに、畦豆という品種があるわけではなく、大豆などの豆類を田んぼの畦で栽培することを総称して、そのように言うようです。

自然農の畦で栽培する作物として、主に、「畦豆(大豆や小豆など)」「サトイモ」「空心菜」が挙げられるとのこと。いずれも、水を好む性質があるようです。 また大豆は、花を咲かせる時期には、特に水を欲するという特性があり、田んぼの脇で育てることは大変理に適っていることだそうです。

さて、蒔き方です。まず、畦の上部に、鍬で穴を空けます。トン、トン、トンと。
 


その穴に、豆を2粒ほど、降ろします。今回は黒豆です。畑では、保水のために2本で育てることのある作物も、田んぼでは1本にするとのこと。

前日夜の講義で、たけさんが話してくれた、作物の保水の図がこうして頭に入っていきます。
 

最後に、水で濡らした草を掛けます。これは一応、鳩から守るためらしいですが、毎年、豆は鳩に食べられてしまうそうです。そして、今年も例外ではなかったそうです。(´Д`;)






また、こうした一連の蒔き方は、以下のような意味合いがあるとのこと。
1. 湿り気を帯びた草から水分が入る。
2. 加温されにくい。
3. 雨水が入らないため、水を求めて根が張る。

さて、番外編その2です。「畦シート」張り。

削った土の堤防を、何やら黒い帯状のものを持って歩くたけさん。 これがいわゆる畦シートです。

【1日目】でやる作業のうち、土を削ったタイミングで、畦シートの登場です。



畦シートを、斜面に向けて配置します。畦シートのポイントは、「支え」とのことで、まずは斜面がぼこぼこでないように、しっかりとならしておく必要があります。




畦シートが、斜面にきれいに立て掛けられています。畦の上部よりも、少しシートがはみ出す程度がいいようです。

この畦シートの高さが30cmなので、目見当ですが、畦の高さは25cm程度でしょうか。


そして、畦シートに向けて土を盛ります。







 水を通したあと、杭を打って、終了です!










畦シートは、畦を塗らないで済ませるという簡便な方法。なので、本来的にはあまり使いたくないそうです。ただ、モグラの被害が増えるにつれ、ご近所の田んぼにも御迷惑をお掛けしてしまうと。こうして「隣り合わせの皆さんとの調和も大切にしながら、自分たちの自然農を推し進めてください」と、たけさん。

本当にそうですね。土の中の調和を気にしているばかりが繊細さではないですよね。人と人との付き合いがあって、人間としての成長があるわけなので、同じ人間同士、心の通う関係を築いていきたいものです。

さて、畦豆講義中のたけさんとぐっさん。講義中にふたりが近くに並ぶことって、滅多にないと思いませんか?「貴重〜」と思って、ついパシャリ。自らの身体で蓄積してこられた経験を、わたしたちに惜しみなく与えてくれるおふたりに、いつも本当に感謝しています。


畦塗りを終えた田んぼにて。 五月晴れに恵まれ、安曇野の高い空が広がっています。遠くには雄大な山々。そして何よりも、足元を支える大地。ここでこうして学び合えることに、限りない豊かさを感じながら、田んぼを後にしました。



…と、すっかり終わりそうになる感じのこのレポートですが、まだまだ前半戦がようやく終了したところです。このあとは、畑仕事。夏野菜の苗の定植や種降ろしが待っています。

用意しますのは、たくさんの種袋。前日にたけさんから購入したものです。こうして、袋に小分けにする労力はいかほどのものか…。

いつもありがとう!たけさん&ゆうこさん!



そして夏野菜の苗たち。各自でトレイに載せ、大切に運びます。

丁寧に育てられた苗は、ほんとうにきれい。瑞々しくて、 しっとりとして、落ち着いています。



苗には、朝のうちにジョウロで水やりをしておきます。もし忘れてしまって、日中を迎えてしまったら、葉っぱに水がかからないように、水差しで水やりします。

葉に水たまりができると、それがレンズになって光を集め、焼けてしまうのだそうです。また、濡れると葉の裏の気孔が閉じ、酸素が吸えない状態になります。


なぜ朝ならジョウロで水やりをして構わないかというと、朝は朝露で濡れていることが自然だから。そして気孔も閉じています。植える直前に水やりしても、ポットは濡れていても茎までは水が行き渡っていないとのこと。

ちなみに、定植したあとに水をかけるのは、いわゆる「泣きっ面にハチ」状態とのこと。ポットの土で育っていたところを、畑の土に出されるというだけで、実は根っこの機能が停止するに等しい状況。そこにきて、さらに水をかけるということは、苗にとっては相当な負担になるそうです。要は、根っこも葉っぱも、共に機能停止状態ということです。

水やりのあと、茎まで水が届くのに3時間ほどかかるそう。その間は、できれば半日陰がいいとのこと。曇ると気孔が閉じて、水分を良く吸うらしいです。雨が降る前、例えば夕立の前には曇りになり、そして雨が降ります。こうして気孔を閉じて雨を待っている状態が自然。それと同じ状態をつくるため、植える日の朝に日陰で水やりをします。晴れて雨が降るということは自然ではないことを踏まえると、なるほど、と納得します。

こうしたことがきちんとできたうえで定植した苗は、1週間ほどは水やりをしなくても大丈夫とのこと。自然界では、毎日雨が降ることはないので、そもそも1週間程度は水をたくわえられるようにできているようです。移植によって根っこが機能停止していても、充分な水分を含んでいるので、持ちこたえられると。

そして、水があるところにしか根っこをはらないので、水やりをしないことで、むしろ水を求めて深く深く根を張り、結果として丈夫な根っこが育つようです。

いつもながら、こうした作物の育ち方についての講義は、まるで、子供の育て方やペットの飼育方法について教えてもらっているかのようですね。


さて、まずはサツマイモの苗についての講義。上から3本くらいの枝を残して、あとはカットします。新芽は残すようにとのこと。






サツマイモは、陽当たりと水はけを良くするため、土を盛り上げてから杭のようなもので土に穴を開け、そこに寝かせるようにして植えます。こうすると自然と上に上がってくるようです。

茎から芽がでるので、しっかりと土に隠れるように。最後に、コップ1杯分くらいの水をやり、草を掛けておきます。


そしてこのあとは一度、しおしおと、枯れていくそうです。そのあと、復活するとのこと。(とてもそうは見えないのですが、復活劇に期待したいと思います!)


次に、キャベツの補い方です。定植の1か月後などに、顔色を見て、元気がなさそうなら、人が手を施します。

まずキャベツは株元までしっかりと草マルチします。




弱り気味だなと思ったら、米ぬかを周辺に蒔きます。やり過ぎは虫が増えるので、適量を見計らって。

こうすると、米ぬかを栄養とする菌が集まり、さらにその菌を食物とする虫が集まり、そしてその虫を食べる鳥や小動物が集まってくるという食物連鎖が起こり、またそれらが朽ちて土になり、結果的に長い時間をかけて土壌が豊かになるとのこと。


トマトの植え方です。前回、仮植えしていたネギの苗を土から取ります。






植える場所の草を刈って、苗を植えます。養分があるので、なるべく表土は残すように。

苗の場合、種とちがって背丈があるので、小さな草は気にしなくていいそうです。一方で、苗が伸びていくと思われる先の方の草を、あらかじめ刈っておくといいとか。



支柱を立てます。軽く差して4本の支柱をピラミッド型に寄り合わせます。そのあとに深く差します。180cm程度の支柱なら、30cmは土に差してくださいとのこと。

この4本のそれぞれの根本に、4つの苗を植えることになります。


支柱が安定したところで、麻紐を向こうに渡し…、





ぐるぐると、巻き付けていきます。紐を上から重ねるようにして、きっちりと締めていくようです。






ちょうちょ結びにして完成、かと思いきや…、







上下方向にも巻き付けていきます。これでしっかりと支柱を組むことができました。





 
さて、4本の支柱それぞれの南側にトマトを植えていきます。こうすることで、収穫がしやすいようです。北側につる有りインゲンやキュウリを植えることもあるとか。南側に向けて伸びてくるので、支柱を頼りにし易いようです。

大玉トマトは最も養分を使うので、4本の支柱のうち、最も南に配置します。



4月にも説明がありましたが、ポットの高さにあわせて土を掘り、片側に押さえつけるようにして、苗を定植していきます。こうすると、根がしっかりと土に張ります。今回は、ネギを一緒に植えます。トマトの場合、本当はニラがいいそうです。

そして、トマトなどの夏野菜の場合、キャベツなどとは異なり、草マルチは株元まではしません。地温を上げるためだそうです。7、8月など、暑くなったら草をかけて具合を見ます。

定植したら、風で折れないように、茎を支柱にくくりつける「誘引」という作業をします。麻紐を使ってしっかりと、ただし「苗の首を絞めない」ように、自立している方向を変えずに結わいていきます。ナスやキュウリなど、葉の大きいものは風の影響で収量が落ちるそうですから、よくよく気をつけたいものです。

さて、このトマトの例のように、支柱を使う場合は、先に支柱を立ててから苗を植えます。その方が、支柱が邪魔にならず、植えやすく、定植した後も作業しやすいとのこと。

それから、支柱によってネズミの通り道を塞ぐという効果もあるようです。それによって作物の全滅を回避します。支柱があることで、ネズミにとっては、障害物競走みたくなりますもんね…。


トウモロコシの植え方です。今回の苗には4本が植わっているので、1本ずつにします。植え方は同じです。

苗が不足する分は、種で植えました。尖っている先端を、土に差すようにして点蒔きするのが、たけさん流のコツらしいです。






マクワウリとメロンの植え方です。植える前に、本葉を4枚残して5枚目をハサミでカットします。これで孫ヅルが伸び、実をつけることができます。

また、ツルを伸ばして成長するものは、最低50cmは間を空けてくださいとのこと。本当は、1メートルは空けたいそうです。間隔が詰まっていると、化学肥料が必要になります。(肥料使いの苗は、根を張らずに成長することを意味します。)

メロンは乾燥地帯のものなので、乾燥させるために、ポットの土が半分出るくらいにします。土をかけて上側を隠すようにしつつ、温かくしておきます。

スイカとメロンを植えたら、草マルチの上から米ぬかを2握り程度、振りまきます。これで甘さが増すとのこと。





ネギの土寄せです。ネギは「自分の影すら嫌う」と言われるそうなので、周辺の余計な草は取り除きます。

スコップで土を寄せていきます。白い部分と緑の部分のキワにある空気穴を塞がないように気をつけて。





さて、 講義がひとしきり済んだあとは、各自の区画での作業に没頭します。そんな最中にも、「これは?」「あれは?」と、質問が飛び交い、あれもこれもと気になりつつも、忙しなく手を動かしていきます。

そして、何度目かの延長宣言のあと、やむなくタイムアップ。作業が残った方も少なくなかったようです。(わたしも居残り…。)名残惜しさを漂わせながらも後片付けをし、ペンションに戻ります。


昨日は草がもうもうとしていたのに、今やすっきり。写真手前の草地と、奥のクラインガルテンとで、見比べてみてください。まだ作物が育っていないので、単に草刈りの後といった様相にも見えますが、この後がとても楽しみです。

ペンションでは、恒例の感想会。4月に定植した苗や、種蒔きしたものが徐々に育っているということもあり、その喜びを報告してくださる方が多かったように思います。3月に始まって、少しずつ、この学びの形態に慣れ、リラックスした雰囲気も感じます。作物の生長とともに、わたしたちもより親睦を深め、よき学びの仲間となれたらいいなと思います。

そして、ふたりの講師からのコメントです。ぐっさんからは「夏草のエネルギーを逃さずに、それを生かして欲しい」と。草がよく育つということは、作物もよく育つということですね。それから「気候の変化が厳しい昨今、今後、自然農がどういった形をとるのか、胸の片隅に置いて欲しい」というシリアスな発言もありました。良き時代に形づくられた今の自然農に、こだわっていてはいけないのではないかという問題提起でした。

それを受ける形で、たけさんからも「だからこそ、もっとよく観察してください。」「あるものを生かしてください。そして五感で感じてください。」という言葉がありました。それを聞いて、変化に対応していくという覚悟がある人のコメントだと感じました。自然農という智慧を、理想郷に仕立て上げて追い求めるのではなく、直面する課題に沿って、それを吸収する形で進化させていこうとするふたりの講師に、頼もしさが募ります。今年の12月まで、わたしたちをどうぞよろしくお願いします。

さて、最後には次回、6月の講義での持ち物についての案内があり、終了となりました。かなり日射しが強くなっていることが考えられ、「サングラス」「帽子」などの日除けグッズのご用意をお願いしますとのこと。 特に田んぼは日陰がないので、要注意です。

それでは、あずみの自然農塾、5月の2日目(5/20・日)の講義レポートは以上となります。

レポーターは百合でした♪