7月14日(土)
レポーター:田丸今の時期に蒔くもの
・インゲン
・エダマメの最後
・ニンジン
など
梅雨は草も野菜も非常に伸びる時期なので、一緒に伸びると野菜が負けてしまいます。
そのため、野菜が負けないように(根を伸ばせるように)手を貸す必要があります。
8月になると暑すぎて草も野菜も伸びなくなるので、今のうちに畑に占める草と野菜の割合を野菜優勢にします。
<キュウリの手入れ>
葉の先端までが地中に根を張っている範囲なので、葉の下にはあまり草が生えません。
草が生えているところといないところとの境で、地中では草の根と野菜の根が競り合っています。(竹さんは“関が原”にたとえていました)
この部分の草を刈ることによって、野菜が根を伸ばせるようにします。
草の根の穴に野菜が根を伸ばすことができるので、何もないところより伸ばしやすいそうです。
月1回しか世話できない場合は、少し広めに刈りましょう。
草を敷くと、草がまた生えてくるまでの時間を多く稼げるので、その間に野菜が成長できます。
新葉の縁が黄色くなっているのは栄養不足なので、米ぬか又は油かすを補います(今回は米ぬか)。
刈って敷いた草の上から一掴みほど振ります。
※野菜や地面に直接かけると油膜ができてしまうので、草の上にかけましょう。
米ぬかが乳酸発酵しカビが生える
↓
カビを食べる虫が集まり糞をする
↓
亡骸の層ができ、野菜が育つ
自然農の補いはすぐには効かないので、早めに対応することが必要です。
<ニンジンの種まき>
今回まいた種 ひとみ5寸・・・一般的な品種・交配種(5寸=15センチくらい)
にんじんは湿気がないと発芽できないので、梅雨明け前にまきます。
そして梅雨が明け、乾いてくると根が育ちます。
セリ科の野菜は水の多いところが好き!
(他に、セロリ パセリ ミツバなど)
競り合って育つことから“セリ”なのだそうです。
種をまくときは、競り合う状況をつくるようにします。
ニンジンを育てるポイント
・発芽させる
・葉の間隔をあける
適宜間引いて徐々に間隔をあけ、最終的に5寸(15センチくらい)にする。
ニンジンの隣にエダマメをまくと、エダマメが水分を吸ってくれて、ニンジンがよく育つそうです。
種のまき方
ニンジンの花です!
これが地面に倒れて芽吹くことを想うと、種を密にまく意味がわかります。
ニンジンの種
できれば雨が降った次の日にまくといいです。
まく幅より広め(1.5~2倍)の草を刈ります。
表面の土を脇にどけ(取りすぎると栄養がなくなるので注意)、のこぎり鎌の先を土に差し込んで根切りをし、宿根草の根があったら取り除きます。
地面が少しへこむくらい手でしっかり押さえて鎮圧。
指の隙間から、5ミリ間隔になるように種を降ろしていきます(バラまき)。
見事にバラまかれています!
または、プロの農家のやり方で・・・
1ヶ所に3粒ずつ、4~5センチ間隔で、千鳥に2列まく。
3粒ずつまくことで競り合う状態をつくりながら、使用する種の量を節約することができます。
月1回しか手入れできない場合は、こちらの方法でもよいです。
脇にどけた土をのこぎり鎌の先でかけ、手でしっかり押さえます。
地下足袋の足で踏んでもいいそうです。
上から刈った草をたっぷりかけておきます。
(月1回の場合は先の尖った草を少しかける程度にする)
1週間後、発芽したら草を両脇にどけます。
2週間たっても発芽しなかったら、再度まき直してください。
<春菊の自家採種>
春菊の発芽率は、買った種は50%くらいなのに、自家採種したものはほとんど発芽するそうです。不思議ですね!
春菊の花
種取りのポイント
・最初に咲いた花、2~3個の種は、トウ立ちしやすいので取らない
・種を取ったらよく乾燥させてから使う
<小麦の刈り取りとはざかけ>
今回刈り取った小麦は “あおば”という品種。
「小麦は16で刈る」というように、若いうちに刈るそうです。
まず、一緒に生えているカラスノエンドウ(黒いサヤができている)を取り除いて畑の外に出しておきます。
この種がバラ蒔かれると来年たくさん生えてきてしまいます。
ちなみにネットで調べたところ、カラスノエンドウは若芽や花、若莢が食べられるそうで、花言葉は“小さな恋人達”というかわいらしいものです。
刈るときの注意
・左手に必ず軍手をはめる
・鎌を上に振り上げない
危険なので気を付けましょう。
刈るときはのこぎり鎌を何度も引くのではなく、一度でズバッと手際よく刈るようにします。
中に混じっている草は取り除き、6束ほど重ねたら、ひもを二重にまいてしっかり縛ります。
一束を2:1の割合に分けて、しっかり押し付けながらはざかけしていきます。
2:1→1:2→2:1→1:2・・・・・・と順番にかけていくと、ぐらぐらしにくくなります。
最初と最後は、しっかり固定するために2束ずつを更に縛っておきます。
落穂をはざかけした麦に差し込んでいくことで、縛ったところがきつくなります。
麦は根を地中深く(1メートルくらい)張るので、土を耕してくれます。
朝夕は露があるので、刈り取り脱穀はやらないようにしましょう。
この後、予め乾燥させた別の小麦で脱穀の実習をする予定でしたが、雨がぱらついていたため明日に延期して畑へ。
<トマトの手入れ>
トマトの茎の太さは8ミリくらいが最適で、太すぎると栄養がありすぎて、木が暴れたりします。
脇芽かきのポイント
・花がついた脇芽は一葉を残して切る(一葉止め)
それ以外は根元から
・伸びすぎた脇芽は、一度に切らないで二葉を残し(二葉止め)、間をあけてから根元で切る(脇芽は根を伸ばしているので、根を張らせるために一度に全部切らないほうがいい)
・実のついた枝の下の脇芽は一葉止めする
・雨の日は切り口からばい菌が入るので切らない
倒れた枝は
・倒れた枝は、放っておくと地面へのつっかえ棒となる枝が出てきて、そこから根がでてくる。本来は乾燥地帯の作物だが、日本は湿度が高いので、ひもで支柱に吊るか、それぞれに支柱を立てて誘引する。
(わかりにくいですが支柱に吊ったところです)
・早朝は朝露で茎が非常に折れやすいのでやらないこと!
・茎の先端を持って緩やかにカーブさせると、自然に支柱に沿わせることができる
・結びかたは、支柱側に巻きつけるとき8の字の下を通した後、巻きつけたひもの上側で結ぶと、しっかり固定される
・誘引の向きが、支柱上で一直線にならないようにすると固定されやすい
トマトの実は完熟するまでとらないようにします。完熟の目安は、お尻の黄色い星がはっきりしたら。
トマトには、風が強かったりすると自然に実を落とす性質があります。
<その他畑で教えていただいたこと>
おいしいインゲンの見分けかた
・サヤを切ってみて 中がゼリー状→おいしい
豆ができている→固い
・すぐに来られない場合は、小さいうちにとる
・実を大きくしてしまうと、株が弱ってしまう
病気らしい木があるとき
・触ると菌を広げてしまうので、まずは触らずによく観察
・病気の場合は、抜いて畑以外のところに穴を掘って、米ぬかと一緒に埋める
・軍手をしていると菌を広げてしまうので、素手で作業する
アブラムシを潰すとき
・アブラムシは体液にウィルス病があるので、手で潰さないで草などでこそげとる
・手で潰す場合は、作業の最後に素手でやり、その後何も触らないようにする
ジャガイモの収穫時期
・葉が半分枯れたら掘っていい(仮堀して確認してみる)
・保存性を高くしたい場合は、葉が全部枯れて、晴れの日が3日以上続いた後に掘る
・ジャガイモは茎が変化したものなので、30分以上日に当てると緑色になりエグくなるので注意する
カボチャのツルがよそへ遠征してしまった場合
・外からではわからないが、ツルの下には根が伸びている。地上部を動かしてしまうと、根がむき出しになってしまうので(特に耕した畑は草マルチがないので)できれば動かさないほうがいい。
・カボチャやキュウリなどは、巻きひげ(英語で“プライド”というそうです)を切ってしまうとダメージが大きいので、他の作物に絡んでしまっても、支障がなければそのままにしておく。
・実が成ったら(スイカやメロンなども)下にわらを敷く
ソラマメの黒いサヤ
・完熟または早熟なので、豆は戻して食べるか種にするといい
・種にする場合は、カビやすいので午後に収穫してサヤから出し、よく乾燥させてから保存する
収穫時期を逃したスナップエンドウ
・中の豆を種にするか、乾燥豆にして戻して食べられる
トウモロコシの株元にインゲンを蒔く
・トウモロコシの茎をつるありインゲンの支柱として利用する
茎の北側に、根に注意して少し離れた(15センチくらいでしょうか)ところに深さ2~3センチの穴をあけ、種を2~3粒入れ、土をかぶせて手で押さえます。
・・・こんなところでこの日の講座は終了し、温泉&ディナーへ
待ちに待ったディナーはシャロムレストランの大皿料理
取り分けたところです
取り分けたところです
メニューは
・ポテト、インゲンなどの入ったガーリック風味のクスクス
・ズッキーニの詰め物、ポテト添え
・ズッキーニのフライ
・大根のステーキバルサミコソース、サラダ添え
・野菜スープ
・パン
・酵素玄米ご飯
・春菊味とココア味 2層のパウンドケーキ
どれもおいしかったです。ごちそうさまでした。
7月はいろいろ収穫できたものがありました。
キレイにして売っているものと違ってお掃除が結構大変で・・・大根はトウが立ってかなりスジっぽく固かったし・・・などいろいろでしたが、どれもスーパーで買うものより香りが強いように感じました。野菜の持っている生命力でしょうか。
来月も楽しみです。
以上、田丸でした。