2012/07/14

あずみの自然農塾7月・1日目

7月14日(土)

レポーター:田丸

今の時期に蒔くもの
 ・インゲン
 ・エダマメの最後
 ・ニンジン
など

梅雨は草も野菜も非常に伸びる時期なので、一緒に伸びると野菜が負けてしまいます。
そのため、野菜が負けないように(根を伸ばせるように)手を貸す必要があります。
8月になると暑すぎて草も野菜も伸びなくなるので、今のうちに畑に占める草と野菜の割合を野菜優勢にします。


<キュウリの手入れ>


葉の先端までが地中に根を張っている範囲なので、葉の下にはあまり草が生えません。
草が生えているところといないところとの境で、地中では草の根と野菜の根が競り合っています。(竹さんは“関が原”にたとえていました)
この部分の草を刈ることによって、野菜が根を伸ばせるようにします。
草の根の穴に野菜が根を伸ばすことができるので、何もないところより伸ばしやすいそうです。

月1回しか世話できない場合は、少し広めに刈りましょう。















草は地際で刈り、刈った草をその場に敷きます。
草を敷くと、草がまた生えてくるまでの時間を多く稼げるので、その間に野菜が成長できます。













 
新葉の縁が黄色くなっているのは栄養不足なので、米ぬか又は油かすを補います(今回は米ぬか)。
刈って敷いた草の上から一掴みほど振ります。

 ※野菜や地面に直接かけると油膜ができてしまうので、草の上にかけましょう。





 





  米ぬかが乳酸発酵しカビが生える
          ↓
  カビを食べる虫が集まり糞をする
          ↓
  亡骸の層ができ、野菜が育つ

 自然農の補いはすぐには効かないので、早めに対応することが必要です。


 <ニンジンの種まき>


 今回まいた種   ひとみ5寸・・・一般的な品種・交配種(5寸=15センチくらい)

にんじんは湿気がないと発芽できないので、梅雨明け前にまきます。
そして梅雨が明け、乾いてくると根が育ちます。

セリ科の野菜は水の多いところが好き!
(他に、セロリ パセリ ミツバなど)
競り合って育つことから“セリ”なのだそうです。

種をまくときは、競り合う状況をつくるようにします。


ニンジンを育てるポイント

  ・発芽させる

  ・葉の間隔をあける
     適宜間引いて徐々に間隔をあけ、最終的に5寸(15センチくらい)にする。

ニンジンの隣にエダマメをまくと、エダマメが水分を吸ってくれて、ニンジンがよく育つそうです。


種のまき方



ニンジンの花です!
これが地面に倒れて芽吹くことを想うと、種を密にまく意味がわかります。


ニンジンの種
できれば雨が降った次の日にまくといいです。




まく幅より広め(1.5~2倍)の草を刈ります。















 
表面の土を脇にどけ(取りすぎると栄養がなくなるので注意)、のこぎり鎌の先を土に差し込んで根切りをし、宿根草の根があったら取り除きます。

地面が少しへこむくらい手でしっかり押さえて鎮圧。








 

指の隙間から、5ミリ間隔になるように種を降ろしていきます(バラまき)。





 





見事にバラまかれています!









 
 または、プロの農家のやり方で・・・

1ヶ所に3粒ずつ、4~5センチ間隔で、千鳥に2列まく。
3粒ずつまくことで競り合う状態をつくりながら、使用する種の量を節約することができます。

月1回しか手入れできない場合は、こちらの方法でもよいです。






脇にどけた土をのこぎり鎌の先でかけ、手でしっかり押さえます。
地下足袋の足で踏んでもいいそうです。













 
上から刈った草をたっぷりかけておきます。
(月1回の場合は先の尖った草を少しかける程度にする)

1週間後、発芽したら草を両脇にどけます。

2週間たっても発芽しなかったら、再度まき直してください。











<春菊の自家採種>


春菊の発芽率は、買った種は50%くらいなのに、自家採種したものはほとんど発芽するそうです。不思議ですね!
春菊の花


種取りのポイント

 ・最初に咲いた花、2~3個の種は、トウ立ちしやすいので取らない

 ・種を取ったらよく乾燥させてから使う


<小麦の刈り取りとはざかけ>


今回刈り取った小麦は “あおば”という品種。
「小麦は16で刈る」というように、若いうちに刈るそうです。


まず、一緒に生えているカラスノエンドウ(黒いサヤができている)を取り除いて畑の外に出しておきます。
この種がバラ蒔かれると来年たくさん生えてきてしまいます。
ちなみにネットで調べたところ、カラスノエンドウは若芽や花、若莢が食べられるそうで、花言葉は“小さな恋人達”というかわいらしいものです。



刈るときの注意

  ・左手に必ず軍手をはめる
  ・鎌を上に振り上げない

危険なので気を付けましょう。


一束ずつ刈ったら順に扇型に重ねていきます。
刈るときはのこぎり鎌を何度も引くのではなく、一度でズバッと手際よく刈るようにします。

中に混じっている草は取り除き、6束ほど重ねたら、ひもを二重にまいてしっかり縛ります。
ここできつく縛っておかないと、乾燥したときに更に緩んで麦が落ちてしまいます。
束ねたら、根元のほうからトントンと叩いて揃えるといいです。


一束を2:1の割合に分けて、しっかり押し付けながらはざかけしていきます。
2:1→1:2→2:1→1:2・・・・・・と順番にかけていくと、ぐらぐらしにくくなります。
最初と最後は、しっかり固定するために2束ずつを更に縛っておきます。


落穂をはざかけした麦に差し込んでいくことで、縛ったところがきつくなります。


麦は根を地中深く(1メートルくらい)張るので、土を耕してくれます。

朝夕は露があるので、刈り取り脱穀はやらないようにしましょう。



この後、予め乾燥させた別の小麦で脱穀の実習をする予定でしたが、雨がぱらついていたため明日に延期して畑へ。


<トマトの手入れ>


トマトの茎の太さは8ミリくらいが最適で、太すぎると栄養がありすぎて、木が暴れたりします。


脇芽かきのポイント

・花がついた脇芽は一葉を残して切る(一葉止め)
 それ以外は根元から
 
・伸びすぎた脇芽は、一度に切らないで二葉を残し(二葉止め)、間をあけてから根元で切る(脇芽は根を伸ばしているので、根を張らせるために一度に全部切らないほうがいい)

・実のついた枝の下の脇芽は一葉止めする

・雨の日は切り口からばい菌が入るので切らない



倒れた枝は

・倒れた枝は、放っておくと地面へのつっかえ棒となる枝が出てきて、そこから根がでてくる。本来は乾燥地帯の作物だが、日本は湿度が高いので、ひもで支柱に吊るか、それぞれに支柱を立てて誘引する。

(わかりにくいですが支柱に吊ったところです)

誘引のポイント

・早朝は朝露で茎が非常に折れやすいのでやらないこと!

・茎の先端を持って緩やかにカーブさせると、自然に支柱に沿わせることができる

・結びかたは、支柱側に巻きつけるとき8の字の下を通した後、巻きつけたひもの上側で結ぶと、しっかり固定される


・誘引の向きが、支柱上で一直線にならないようにすると固定されやすい


トマトの実は完熟するまでとらないようにします。完熟の目安は、お尻の黄色い星がはっきりしたら。
トマトには、風が強かったりすると自然に実を落とす性質があります。



<その他畑で教えていただいたこと>


おいしいインゲンの見分けかた

 ・サヤを切ってみて 中がゼリー状→おいしい
              豆ができている→固い

 ・すぐに来られない場合は、小さいうちにとる

 ・実を大きくしてしまうと、株が弱ってしまう



病気らしい木があるとき

 ・触ると菌を広げてしまうので、まずは触らずによく観察

 ・病気の場合は、抜いて畑以外のところに穴を掘って、米ぬかと一緒に埋める

 ・軍手をしていると菌を広げてしまうので、素手で作業する



アブラムシを潰すとき

 ・アブラムシは体液にウィルス病があるので、手で潰さないで草などでこそげとる

 ・手で潰す場合は、作業の最後に素手でやり、その後何も触らないようにする




ジャガイモの収穫時期

 ・葉が半分枯れたら掘っていい(仮堀して確認してみる)

 ・保存性を高くしたい場合は、葉が全部枯れて、晴れの日が3日以上続いた後に掘る

 ・ジャガイモは茎が変化したものなので、30分以上日に当てると緑色になりエグくなるので注意する



カボチャのツルがよそへ遠征してしまった場合

 ・外からではわからないが、ツルの下には根が伸びている。地上部を動かしてしまうと、根がむき出しになってしまうので(特に耕した畑は草マルチがないので)できれば動かさないほうがいい。

 ・カボチャやキュウリなどは、巻きひげ(英語で“プライド”というそうです)を切ってしまうとダメージが大きいので、他の作物に絡んでしまっても、支障がなければそのままにしておく。

 ・実が成ったら(スイカやメロンなども)下にわらを敷く



ソラマメの黒いサヤ

 ・完熟または早熟なので、豆は戻して食べるか種にするといい

 ・種にする場合は、カビやすいので午後に収穫してサヤから出し、よく乾燥させてから保存する



収穫時期を逃したスナップエンドウ

 ・中の豆を種にするか、乾燥豆にして戻して食べられる




トウモロコシの株元にインゲンを蒔く

 ・トウモロコシの茎をつるありインゲンの支柱として利用する

茎の北側に、根に注意して少し離れた(15センチくらいでしょうか)ところに深さ2~3センチの穴をあけ、種を2~3粒入れ、土をかぶせて手で押さえます。



・・・こんなところでこの日の講座は終了し、温泉&ディナーへ



待ちに待ったディナーはシャロムレストランの大皿料理
取り分けたところです


メニューは
 ・ポテト、インゲンなどの入ったガーリック風味のクスクス
 ・ズッキーニの詰め物、ポテト添え
 ・ズッキーニのフライ
 ・大根のステーキバルサミコソース、サラダ添え
 ・野菜スープ
 ・パン
 ・酵素玄米ご飯
 ・春菊味とココア味 2層のパウンドケーキ

どれもおいしかったです。ごちそうさまでした。



7月はいろいろ収穫できたものがありました。
キレイにして売っているものと違ってお掃除が結構大変で・・・大根はトウが立ってかなりスジっぽく固かったし・・・などいろいろでしたが、どれもスーパーで買うものより香りが強いように感じました。野菜の持っている生命力でしょうか。
来月も楽しみです。


 以上、田丸でした。