2013/03/16

あずみの自然農塾 2013年度第1回 3月16・17日 第一日目:3月16日

あずみの自然農塾

2013年度第1回 31617


第一日目:316

【一日の経過】
午後1時穂高駅前集合、午後1時半ごろシャロムヒュッテ到着。
竹さんの簡単な挨拶とスタッフ紹介のあと、スタッフのマリさんによる建物の中の案内があった。その後塾生各人の自己紹介。今回は札幌から福岡まで全国津々浦々から塾生が集まった。この日はシャロムの今年のオープン日でもあり、寒い中にもさわやかな幕開けとなった。
午後4時から畑見学を行ったが、あまりの寒さに早めに切り上げてお風呂へ。夕食はシャロムのレストラン、Peacefoodで素晴らしいコースディナーを堪能した。夕食後の講義は駆け足で自然農概説から菜園のプランニングまで。消灯時刻まで目いっぱいのスケジュールだった。

【畑での話と観察】
l  冬草・夏草:雑草には冬草と夏草があり、夏草は高く大きく伸びるのに対し、冬草は低く土地を覆う。
l  小麦:小麦は冬の間、霜などと一緒に浮いて来たりするため足で踏む(麦踏み)。踏まれることでより強くなる。麦踏みは畑が湿っていない日に行う。12月の種まきご冬に2回、春先に2回、計4回行う。ローラーをかけて横から倒すように端から少しずつ踏んでゆく。すりつぶすような踏み方をしないこと。ここに植えてあるのはユメアサヒというパン用小麦。
l  畑の観察:草で覆われた土はフカフカでしっとりしている。畝と畝の間が通路で、ここを歩く。畝の高さは地域その他の条件で異なる。ここは火山灰土で水はけがいいので高くする必要はない。現在15㎝位。草のない一般の畑では土が露出しているので、土が風で飛んだり、乾燥する。
l  堆肥:堆肥を使う場合は野菜にはたとえばおからや糠を発酵させて使う。完熟の堆肥。
l  やせた土地:痩せていても最初から育つのはネギ、タマネギ位。ネギを植えるとネギの根の部分にいる菌のために、土壌が改善される。雑菌の殺菌効果もある。ネギの翌年はナス、その次は白菜、などという風に作付していくと効果的。痩せた土地に対して効果のあるものとして、ほかには、はこべもある。ハコベは土を豊かにする効果がある。ミミズを放すのも良い。なお、ニンニクはそうした効果はない。ぐっさんがこの畑で育てた松本一本ねぎを見る。下仁田ネギに似ていて非常に太い、見事なネギ。

【夜の講義】
l  自然農:
Ø  「わら一本の革命」で知られるこの分野のパイオニア、福岡正信さんが始めたのは「自然農法」。無農薬、無肥料、無耕起、無除草で無為自然であることを目ざした。粘土団子で種をまき、なるべく人の手を加えない。
Ø  「自然農」という言葉は川口良一さんが提唱。農家としてやっていくための農法を開発。基本は、耕さず、草や虫を敵とせず、持ち込まず、持ち出さず。
Ø  害虫は虫全体の5%、益虫も5%で、ほかはどちらでもない。人の手の入らない森の土などはフカフカしていて、土中に住む微生物のために自然に耕されている。
Ø  作物は原産国など土地にあったものがよく育つ。継続的に種取りをして育てていけばその土地にあったものになっていく。
l  季節の流れを知る:より自然に育てるためにはどうするか。季節のリズムに合わせて耕す。桜の開花など、自然の流れに合わせて作付する。
l  水遣り:種をまいた後、水遣りをしない。水をやると強制的に発芽させられてしまう。種は雨など、自然の流れで育つのに最適な時期に芽を出す。自然に逆らわないとスムーズにいく。
l  自然農で育てやすい野菜:自然農で育てやすいのはあまり改良の進んだものより、自然にかなった、土地にあった野菜。たとえばセロリなどは難しい。また、人工的に改良された野菜には人が手を加えないと花が咲かないものもある。昼間見た葉がチリメン状のサボイキャベツは人が手で結球した葉を割ってあげないと花が咲かない。原種はケール。葉が巻くようになったのがキャベツ、その小さいのが芽キャベツ、つぼみを食べるのがブロッコリー、花を食べるのがカリフラワー、など仲間には多様な野菜がある。
l  冬草・夏草:夏草は零度以下では枯れてしまう。冬草は暑さに弱い。サイクルの山と谷がちょうど反対になっている。
l  連作障害:連作を避けるため、畑は夏用と春・秋用の2つの畝を準備し、毎年入れ替える。
l  コンパニオンプランツ:一緒に植えるとお互いに対して良い影響がある相性の良い植物のこと。たとえば病気や虫害を防いだり、成長がよくなったり、競合しないで成長できる。畑作りはコンパニオンプランツをうまく組み合わせて行う。たとえば柿の木とミョウガ、トマトとバジル・ラッカセイ・枝豆など。
l  赤い色は虫が嫌うので、赤いレタスなど、赤い色の野菜を一緒に植えると虫よけになる。
l  各野菜について
Ø  トマト:ミニトマトは1本に多数の実がつく。中玉トマトは実の数はより少なく、大玉トマトはさらに少ない。中玉、大玉のトマトは1本ではダメなので、最低2本植える。
Ø  カボチャなどウリ類は一般に自家受粉しないので、2本以上植える。トウモロコシは10本以上まとめて植える。
Ø  インゲンはセンチュウが発生したら植えない。センチュウを防ぐコンパニオンプランツを一緒に植えるといい。
Ø  キュウリやスイカなどのウリ類は連作障害を起こしやすい。
Ø  キク科の野菜には虫が寄り付かない。
l  ローテーションを上手に組む
Ø  上手にローテーションを組むと連作障害が起きず、うまく栄養が残って次の作物がよく育つ。
Ø  春にネギを植え、次にネギを植え替えて、ジャガイモを掘った後にネギを植える。ネギの後にはホウレンソウを植える。
Ø  ネギ→ナス→白菜
Ø  トマト→キャベツ
l  育土:ハコベやアカザが効果的。
l  野良:野を良くすることにつながる。

ここまで担当はIO。