年が明けてしまいました、誠にすみません…11月第1日のレポートです。
11月16日(土)
この日は単発参加のお二人を迎えてフレッシュムード。
まずはタケさんから里芋の種芋について説明がありました。
一株全部の芋をつけたまま保存しないといけないそうです。ご立派ですね
つづきまして畑へ
麦踏みなど。
野沢菜がびっしり育っています。たぶん8月にばらまいたもの。
秋にまいてピュッと育つ野沢菜とそばは好感度大ですね。
タケさんが面白いものを見つけました。
ドヤ顔のぐっさん…ではなくて、
向こうに大根が2本生えてます。
分かりますか?
左は葉っぱが左右2枚ずつそろって生えているのに対して、
右は左右の葉が互い違いになっています。
…う~ん、言われてみれば…??
で、抜いてみますと
左右入れ替わっちゃって分かりづらいのですが、
写真右:葉っぱが左右揃っていた大根(A)はのびのびまっすぐ。
写真左:葉っぱが互い違いだった大根(B)はでこぼこぼってり。
バランスの良い土で障害なく素直に育ったのがA、
環境が何か偏っていたため、それに合わせて育ったのがB。
タケさんいわく、Aが自然でBが不自然、というわけではなくて、
どちらも自然の理にかなった姿なのだそうです。
よく、電車とかで女子高生の迷いなくスラッと伸びた脚(A)を見ると
すんづまりでやっつけ仕事みたいな我が脚(B)が切なくなりますよね。
というわけで私はBの味方です。
そんなこんなで、そばの脱穀。
まず、たらいに振り下ろして実を外します。
振った後ピタッと止めるのがよく落ちるコツだそうです。
脱穀機を使ってもよいです。「光栄号(←旧字)」が泣けますね。
あとはこの、「とうみ(唐箕と書くそうです)」で
実とそれ以外を分けていきます。
上から入れて、いい感じの風加減と通り口の開き具合にして
右に茎や葉や虫その他、左に実を振り分けます。
回し終えると同時に通り口を閉じないとタケさんに叱られます。
だいたい実が取り出せました。
本当はこの後乾燥させるそうですが、この日は時間がないので省略。
虫とか入ってますけどみんな空気を読み気にしません。
そして、石臼登場。
繊細な手つきで、ほんの4~5粒ずつ穴から実を落として引きます。
ゴツいくせに意外と気をつかわせる石臼なのです。
そば粉ができるのはほんの少~しずつ。
いつも張り切るRさんも次第に無表情に…。
もちろん全員分挽くのは無理ですのでいいところで切り上げました。
さて、風呂など入りまして夜は穂高神社の鳥居の隣にある
おそば屋さん「とりい」へ移動してそば打ち体験です。
先生は、長野のそば文化の未来を担うナカムラさんです。
お菓子をつくっている卵肌のマキさんと
助っ人のウンノさんにもお世話になりました。
神聖なる厨房へ入りまして、そばの作り方を学びます。
ナカムラさんは師匠の教えを踏まえつつ、日々研究を重ね
オリジナルそば打ちを開発するクリエイティブなそば職人。
そば粉1.2kgに対し、小麦粉ゆきちからが120g。
そこへ熱湯を580g投入。
「お湯のほうが粉にストレスがかからない気がする」とナカムラさん。
おっしゃる意味が…さすがです。
サラサラになるまで水分を回しまして(水回し)、
まとめていきます。ここであまりこねないのがナカムラ流。
肩甲骨がかっこいいです。
まとまったら一度手を洗いまして、菊練り。
ごろんごろん転がすとなぜか菊の花のような模様が入り、
最終的にはのっぽさんの帽子みたいな形に。
打ち粉をなるべく打たないようにしているそうです。
いい具合につぶしまして(縁より一回り内側を伸ばすように)、
四角く伸ばします。
このときの横幅でそばの長さが決まります。
麺棒を手前から奥へ、胸の前でハートを描くような手つきで伸ばします。
うすーく四角くなりました。
たたんで切ります。貫禄あるそば包丁。
駒板を少しずつずらして、垂直に刃を下すと
繊細なそばができあがります。
…でもここで終わりません。
こんどはみんなでそば打ちにチャレンジです。
できるのでしょうか?
写真は「スジがいい!」と認められたNちゃん
ひたすら伸ばすの図。
なぜこれしか写真がないかというと、
空腹に耐えかねたグータラ組は隣で
お茶ぶっこいてたからです。
個性のあるそばが打ちあがりました。
やっと、ゆでます。
たっぷりのお湯を沸かし、タイマーを使ってきっちり2分間。
このお湯量で、ゆでられるのは2人前までと聞きました。
…あれ、3人前までだったかな? まあ、そのくらいです。
寒風吹きすさぶ中、野良仕事を終え、
ぐったり風呂につかってはや数時間。
まさに極限状態の中、きれいなそばが完成。
もうね、うまいのなんのって、伸びないうちに一気にいただきました。
そばはつくる手間と食べる速さがつりあいません。
ありがとうございました。
ムラより