2014/05/17

あずみの自然農塾 5月1日目

13:00 穂高駅に集合、車に乗り合わせ、シャロムに向かいます。
今回の畑仕事は、夏野菜の定植、種蒔きです。

種・苗の説明

用意された苗、種を前に竹さんの説明が始まります。



まずは、野菜の間に開いたスペースがあれば、
積極的に育てて欲しいという豆を4種類。

野菜の間に豆を蒔くと賑やかな繁華街が出現するそうです!!
(根粒菌、菌根菌がやってきて、土が活性化、肥料がなくてもよく育つ。)

枝豆は、早稲品種の「奥原早稲」。
ナス、トマトと相性の良い「落花生」。
5月と7月に蒔くことの出来るインゲンは、つるありの「モロッコインゲン」、
つるなしの「つるなし白馬」を用意していただきました。

普通は、つるありの方が美味しいそうなんですが、
「つるなし白馬」のコピーに、「モロッコインゲンの4倍うまい!!」とあり、
面白そうだから選んだとのこと!?

ところで、インゲンですが、センチュウのいる畑には、
絶対蒔いちゃいけないそうです。

インゲンを栽培すると、センチュウをむちゃくちゃ増やすらしく、
センチュウ対策には、マリーゴールドや燕麦、ひまわりなんかが良いそうです。
幸い、シャロムの畑にはセンチュウはいないとのこと。

また、インゲンは、7月にも蒔くことが出来るそうで、
その場合は、トウモロコシ、オクラを支柱にすると良いそうです。

続いて苗の説明。

鹿児島の久木田農園さんのさつまいもは、5種類。

安納芋よりも遥かにうまいことから名付けられた「紅はるか」。

「黄金千貫」は、黄金を千貫積んでも欲しいという位、美味しい芋。
食感は、ほくほく。
最近は、豊作で、豚の飼料になってしまっているんだとか。

「ベニアズマ」は、栽培が簡単、ほくほくした食感。

残りは、「パープルスイートロード」、「人参芋」(初めて聞きました!!)

久木田農園さんのちらしも配っていただいたのですが、
5種類のさつまいもの詰め合わせセットなんかもあり、
「これはもう頼むしかないでしょ!!」というラインナップ。

焼き芋のことを想像して、なんだかニヤニヤしちゃいます。
少し気が早過ぎますね(笑)

さて、さつまいも苗の様子を見ると、新聞紙に包まれ、
なんだかあんまり元気じゃない様子かも?


ここで、竹さんからの実演を交えた説明が始まります。

さつまいもの苗は、植え付け前の処理として、
自分が育てた苗は、「半殺し」に、
買った苗は、「蘇生」させるんだそうです。

一同「???」

どういうことかと言うと、さつまいもの苗は、
少し枯れて、しなっとさせないと新しい根が出ないんだそうです。
(命の危険を感じないと新しい根が出てこないんですね。)

という訳で、実際に「蘇生」の手順を見せていただきました。
これは、週末にしか苗を植えられないような場合に、役立ちそうです。

まだまだ説明は、続きます。

カボチャ

西洋カボチャ、2種類。
竹さんオリジナルの「ミニかちわり」、
金沢の伝統野菜の「打木赤皮甘栗南瓜」

暑さに強く、育てやすい「日本南瓜」。

「ゴールドラッシュ」という黄色いペポカボチャ(ズッキーニ)。
ズッキーニで、固定種は珍しいんだとか。

きゅうり

「若緑地生え」
「善光寺きゅうり」
「ゴーヤ」

きゅうりは、朝夕収穫するため、月1の講座では、厳しいのですが、
説明を聞いた途端、育ててみようと思った人がいたとか、いないとか。

トマト

なんと竹さんは、47種類も種を持っているとのことですが、
今回はそのうちの6種類を持ってきていだきました。

大玉は、ピンクの果肉が特徴の「ベルナーロゼ」と
自然農法センターの「自生え大玉」。

中玉は、「ピンク中玉」と加熱調理に適した「サンマルツァーノ」(固定種)。

ミニトマトは、黄色の実が成る「アイスレモン」、黒い実の「ブラックチェリー」。
例年であれば、「シュガーランプ」という品種も持ってくるとのことでしたが、
今年は間に合わなかったとのことでした。残念!!

スイカ、メロン、まくわうり

本来は、若苗で定植するそうですが、
安曇野では、若苗だと9月の終わりにスイカが出来るので、
大苗で用意していただいたとのこと。
シャロムの畑は、肥えているので、大苗でも大丈夫だそうです。

それから、なんらかの経緯でタイからやってきた「マスクメロン」、
これもなんらかの経緯でトルコからやってきた黒玉、
ピンクの果肉のスイカ、「トルッキー」。

「まくわうり」は、香りは素晴らしいけど、メロンほどの甘みはないため、
和三盆をかけていただくといったものらしいです。
うーん、今まで食べたことないかも。

マスクメロン、まくわうりは、親づる、子づるには、実が成らず、
孫づるになって初めて実を付けるので、頭を取ってくださいとのことでした。

ナス

「在来青ナス」
「仙台長ナス」

今年は、低温で生育が良くないそうです。

とうもろこし 

「味来7000」(スイートコーン)

島オクラ 

五角オクラは、実が固くなりやすいとのことで、実の柔らかい島オクラ。

オクラは、ごぼうのような根を出し、移植を嫌うため、
本来は直播きなんだそうですが、長野では、まともに蒔くと(6月)、
さほど収穫しないうちに霜が来て終わってしまうとのこと。

発芽だけさせて、本葉が出るか出ないかというような状態の苗を
おこしてきたとのことでした。

モロヘイヤ

種は牛が死ぬほどの猛毒とのこと。
「珍味なの〜」と言って、人にすすめないように!!

スープセロリ

バジル

ピーマン

育てやすいししとう、「伏見甘唐辛子」、「イエローパプリカ」、
「あじめコショウ改」の3種類。
(あれれれ???ピーマンがないですが、みんなピーマンの仲間ということで。)

あじめコショウは、岐阜の在来種で、
朝鮮半島に渡って、韓国唐辛子になったと言われる品種だそうです。
竹さんが辛くないタイプを選抜中とのこと。

他にも、パセリ、陸稲(ハッピーヒル)なんかもありました。

ようやく、すべての説明が終わり、各自配られた種、苗を用意して、
畑に向かいます。



畑での種蒔き・定植



いきなり、竹さんの質問が飛んできます。

竹さん「夏野菜が最も苦手なものは?」

一同「・・・」

竹さん「そう、霜です。」

霜が降りなくなったら、苗の定植だそうです。
大麦、小麦の穂が出てくる時期、お寺にある藤が満開になった時期等、
生物暦を参考にして、霜を避けるようにとのことでした。

一ヶ月ぶりに畑の様子を見てみると、一面カラスノエンドウだらけに!!
どこが通路なんだか畑なんだか分からない状態です。
(4月に植えたキャベツやレタスの苗は、どこに?)


良い苗とは、それぞれの畑に合った苗のことで、
自然農の畑では、言うなれば、10代の若苗(あっさりと根が巻いているもの)を
用意するのが基本だそうです。

また、ぐるぐるに根が巻いたような、言うなれば40〜50代の苗なんかも、
再就職(定植)は厳しいけど、
天下り先(耕して、マルチもして、肥料も入れてある畑)を
用意してやればよいんだそうです。

逆に、若苗をそんなところに植えたら、暴れちゃって、どうしようもないと。

ここで一言、「若い時に大金を掴ませるとロクな奴にならない。」

それから、実際に正しい苗の植え方を説明していただいたのですが、
気を付けるのは、以下3つ。

「植える直前に苗を濡らさない」
「葉っぱを濡らさない」
「植えた後にすぐ水をやらない」

安易に水をやってしまうと、いつまでも苗のままでいようとするんだそうです。
(根っこが土中に入っていかず、上に上がってきてしまう。)

植物は、1週間から10日間ほどは、水を貯える力を持っているため、
水を上げない場合は、水を求めて、土の中へ根っこを伸ばし、
丈夫に育つことにつながります。

また、葉っぱを濡らしてしまうと、光合成が出来ない上に、水滴がレンズになって、
葉が焼けたり、ホコリが付着したりと、良いことは一つもないことに。


この後、それぞれの野菜に応じて、実際の手順を見せていただきました。
そんなこんなで、ふと気付くと既に17時近く。

竹さん「もう時間だね。」

一同、苦笑い。

という訳で、約15分位で、苗の定植、種蒔きをすることになりました(泣)


夏野菜講座

温泉で一汗流して、シャロムのパーティー仕様の夕食
(むちゃくちゃ美味しかったです!!)を終えて、
20時過ぎから、まるで寺子屋のような感じで、講義が始まります。

竹さん「前回の講座で一番伝えたかったことはなんでしょう?」

一同「・・・」

それは、冬草と夏草の切り替わり時期が今であり、
丁度、冬草が命を全うし、夏草が伸びてくる時期のため、
冬草をたくさん刈って、敷いておくと、夏草の発芽が抑えられるということでした。

そして、夏の草を生育させてくれる季節、梅雨がやってくるということ。

野菜も成長しますが、夏草もしたたかに成長する時期なので、
野菜が優勢になるか、夏草が優勢になるかが決まるのが、
6〜7月の梅雨明けまでなんだそうです。

8月には、もう結果が決まってしまっているので、
安曇野観光を兼ねて、草刈りに来てくださいとのことでした。

都合がつかなくて、来れない人は、こう思うしかないとのこと。

「来ないと一体どうなってしまうのか(笑)」

さて、以上を踏まえて、今回の講座が始まります。

草負けしないで、野菜負けさせるために
ある意味、草よりも草らしく自然に野菜が育つようにするには、
どのように草を刈っていけばいいのかは、
あることを考えて行うと上手になっていくとのこと。

それは、土の中の根っこなんだそうです。

ここから、根っこの話しが続きます。

おいしい大根、キャベツの見分け方。
片方の葉だけが枯れているナスの事例から、根と葉は、密接に関連していること。
(原因は、片方の根だけをネズミに齧られていたためでした。)
ナスの根の張り方。
江戸時代は、初ナスが縁起物だった話し。(完全に横道!?)等々。

人が手入れして、野菜の根が9割くらいを占めるようになれば、
残りの草は刈らずに置いておくと、野菜と草が共存する畑が出来上がるそうです。

そんな理想の畑を目指して、自然農塾で学んでいくことになりますが、
これからが本当に楽しみです。

そんなこんなで、消化不良気味ながらも、とても充実した一日でした!!

やっさん