2014/07/19

あずみの自然農塾7月・1日目

あずみの自然農塾 第5回(7/19)

第1日目のイベント
① 公益財団法人「自然農法国際研究開発センター」見学
  (原田さんと中川原さんの圃場見学、長鎌の実演)
② Azumino自給農スクールモデル区画の見学
③ お風呂(ファインビュー室山温泉)
④ 竹内さん特製こだわりの三段変身カレー&野菜バーベキュー

① センター見学
◎センターについて(パンフレットからの抜粋、引用)
・自然の生態系を利用した農業技術を研究し、普及することによって、自
 然環境の保全、農家経済の安定向上、健康で豊かな食生活が達成される
 ことを願いとしている。
・内閣府から認定された公益財団法人として、新しい農業分野としての自 
 然農法の開発と普及のために活動している。
・自然農法品種の育成事業
 土壌生態系の機能を有効に活用できる自然農法・有機農業に適した品種
 の研究開発。
・小肥で栽培でき、環境適応性に優れた食味の良い品種を育成・採種し、頒布している。(今回の見学はコレ)
※ 1 という事で、わたしは、自然農法の種の生産をしているところだとばかり思っていましたが、もっともっと幅広い活動をしている文字通りの「研究開発センター」でした。見学させていただいた圃場は、採種、品種改良の為に特化され、私たちの自然農の畑の様子とは違うように感じました。












※2 トマトの交配作業については、見学者がいっぱいで、作業の写真を撮れませんでした。m(_ _)m
②見学-1 採種圃場(原田さん)
○見学した圃場について、、、、
(品種改良、採種に特化された圃場)
・自然農法の種を生産している。
・圃場としての利用は25年前からで15年前からは無肥料栽培。
・裸地は、エン麦をカルチベーターで鋤き込み除草をしてある。

○採種、交配について、、、、
・栽培品目数は20品目、60種以上(カボチャ、ナス、レタス、メロ
 ン・・・)
・固定種、センター独自の品種改良に依る交配種を生産している。
 (品種改良には10年以上の時間がかかる。)

・採種する株の選抜は、一番に勢い良く(草の中で)育っている株を
 選抜。(草に負けず、地上部に勢いのあるものは根張りも良いはず
 なので、根張りの良い物を選抜し採種する。)
・採種に特化しているので、採種に必要十分な成熟果しか残さない
 様に仕立てている。(大玉トマトなら、採種用では1段当たり5果
 を3果にする、段数そのものも減らす。等々)

・(交配の作業は、確実に行われるように丁寧な手続きがされてい
 る。)
  対象の花は、開花前に雄蕊を取り除く
  花粉は電動歯ブラシを使い揺さぶってフィルムケースのキャッ
  プ等に採集する
  交配済みの花は萼を二枚切り取り、毛糸でマーキングする
  5月下旬から8月上旬までの期間に交配作業を行う。

・ナスは、3畝で40品種。
・ウリ科
 前日にグラシン紙で袋掛け
 雄花は淡い黄色も6時位に花粉が出てくるので、これを雌花につけ
 る。
 再び袋掛けを施す。(タッパーに濡れたティシュを敷く、翌日に花
 粉が採取出来る)
・レタスは綿毛が八割になった所で採種する。
・雨に弱い、タマネギ、レタス等は、梅雨前に雨除けを設置してい
 る。

○その他の説明、解説、、、、
・緑肥には、オーチャード・グラス、赤・白クローバーを組み合わせている。
・虫は出る時期はわかるので捕殺する。
・圃場には蜘蛛、カエルが多く、虫・病気が出にくい。
・最近、虫、病気が増えてきたので、土の上の有機物は、できるだ
 け分解を早めるように浅く鋤き込んでいる。半年有れば十分に分解する。
・定植後の初期除草が大事。
・草は、30cmくらいまで伸びたら10cmを残して刈る。
・カメムシは草の茂みから来る。大量に発生している時には近くに茂みが。
・作物が緑肥の根と競争する。葉の状況、実のつき具合で判断し対処する。
・トマトは、全部が都合が良いということはないので、作型、病気への対応を目指し交配している。
・トマトの芽かきについて、1葉残しのほうが痩せた土地では枯れ上がりが遅くなった。肥沃地では、元から取
 るようにしないと樹が暴れる。
補追)アグロエコロジー新聞に「お米の勉強研修」さんが圃場見学をされた時の記事があります。ナスの交配の写真が分かりやすいです。
http://agro-ecology.blogspot.jp/2014/08/in.html?spref=fb

見学-2 採種圃場(中河原さん)







○「種の力・畑の力・自分の汗で出来る農業を目指す」
・三反歩(約3000㎡)を手で耕作している。
 開墾鍬と大鎌、鎌(畝間の作業用)のみでやっている。
・見学した畑は、10年間位は牧草地だった処、3年前は草地、石ころが多い。
・雑草→牧草(去年)→カボチャ・ジャガイモを栽培 牧草(永年草)が雑草に勝つ。
 痩せた安曇野の土地ではオーチャード・グラスだっ
 た。(他のも播いたが残ったのはオーチャード、クロ
 ーバーはヨトウムシ、他の草を抑えてしまう)
・野菜は裸地を好むので草との共生はできない!?
・石が有る方が野菜は喜ぶ(病気が出にくい・成長は良
 くないかナ!?)

○お話し
・畝の雑草を刈り寄せた処にミミズ等が寄り、自然が
 作った適度な養分の土が表層にできる。
・野菜の根は痩せている処ほど良く張る。中が痩せて
 いても表層が肥えていればそれなりに十分に収穫で
 きる。
・土地が豊かだと地上部が繁る。
・石ころだらけでも、少し肥えた土が有れば野菜は育つ、育って他を抑える。
・春畝は、徹底して草を抜く。
・こぼれ種(果実を自然に返すと)は、全部が出るわけではなく、その中からよく実をつけるものが出てくる。
・直播きは、出てくるのに時間が掛かる。
・野菜の野生、本能を活かすと、三年くらいで良い物が出来る。
・キュウリの株間は広く取ると良い具合になる。支柱、2本、4本を一株に宛がう。
・雑草化した、メロン、トマト等について、、、
 彼らは味を良くすることで生き残ろうとしているのかもしれない。
○トマトのペット栽培について
・人間と同じ環境がトマトには良い。
 実をそのままポットで栽培する。
 正月に芽を出させるようにする。
 3月まで鉢を大きくしながら、ペットのようにそばに置き、4月から外に出す。
・収穫した一番良い物を1果ポットに入れる。
・ペット栽培なら、長い畝は要らない。
○1果丸ごと植え付けについて
・果実そのものを植える。
・完熟したものを保存(ドライフルーツ)
・溝を掘り放置する。霜が降りたら土を被せ、冬の間は草マルチ
・春は裸地にしないとモグラ・ネズミの巣になってしまう。
・肥料を入れると、同じように出てきて虫も付く。痩せている処の方が虫はつくが気にならない。
○演示キャベツ畝の仕立て
・玉葱の後にキャベツを栽培する。
・幅1mで溝を切る。
・草を剥ぎ溝に積む。
・春にその溝を掘り返す。
・自然堆肥をつくり培養土とし循環させる。根張りが
 良い。





○大鎌での草刈りのお話し
・鎌は無理がない。
 肩を傷めない。
 地際まで刈らないので土が乾かない。
 雑草が刈った後に暴れない。
 機械を使うと最初は良いが後が悪い。
 自然生えを見逃すことが出来る。
 引きちぎるのではなく刈り取る。
・鎌は切れている内に(一息つきながら)研ぐ。
 砥石の中砥は地金を削り、仕上げ砥は鋼を研ぐ。
・研ぐには力を入れない。
 バリ(刃先に薄い削りカスが出る)が出たら、裏側を
 仕上げ砥でバリを取る。

補追)臼井健二さんがYoutubeに載せておられます。
https://www.youtube.com/watch?v=IkeVFQ6zaFU
タマネギ栽培、苗の定植も収録されています。

③自給農講座と竹内さんのサンプル農園
胡桃、桜が生えていたPH4の土地を開梱して作った畑
























冬畝、夏畝、連作畝、それぞれを見せていただいた。
講座で解説が有ったように、本に書かれているように混植され、
畝間には混合の緑肥が育っている。
先の先まで見通した巧みな栽培計画ができていた。
以下、いくつかのお話しを拾い書き、、、。
・トウモロコシは水を七倍吸う。
・かぼちゃのツルの下には根が有る。踏まない、ツルをどけたらそ
 こには草マルチをする。
・葉が枯れかけたら、実を守るためにカボチャは草を生やす。この
 為、草は刈らない。
・良い種を取る→過酷な条件でも生きて行く物の種を採る。
・梅雨の時期は、長めに草は刈る。
 直ぐに戻る。害虫を食べる虫が来る。
・自然農二年目が大変、草のコントロールを頑張る。
・野菜の元への草マルチは、多様に豊かになる。



・自然菜園は自分なりのやり方。
  勝手に自然をこうだと決めつけない。
  自然な人が食べるものが自然食。
・トマトの自然仕立て、台風には弱いが、真っ直ぐが
 良い。
・キュウリ
 曲がったキュウリの先につくキュウリは根が疲れて
 いるので曲がる。それを取ると次は真っ直ぐなもの がなる。
・ネットパイプ栽培では、一株で120本。地這いで は、70本収穫できる。
・ネギとジャガイモの交互連作は、掘った直後に植え
 る。