2014/10/19

あずみの自然農塾 10月2日目

<10月2日目のメニュー> 
 ◆蕎麦の刈り取り
 ◆エンドウ、空豆、小麦、レタスの種まき
 ◆ピーマン、ナスの種取り
 ◆野沢菜の間引き
 ◆みんなの畑


 ◆蕎麦の刈り取り


 (蕎麦について豆知識)
  ・ネパールやチベットのあたりが原産地で仏教とともに伝播してきたと言われている。
  ・米や小麦が育たないような所が産地なので元々は貧しかった地域で作られていたが、
   最近は観光地となっている所が多い。長野県も適地。
  ・一番美味しいのは、新蕎麦から蕎麦になる12~2月頃。
  ・在来種は粒が小さいが中身はパンパンに詰まっているため粒の85~90%が粉になり、
   風味も強い。栽培種は在来種の1.5倍くらいあるが、乾燥すると中身が萎むため粒の
   70%程度しか粉にならない。

 (刈り取りの時期)
  ・まだ朝露で湿っている朝方に行うのがよい。
   →乾燥すると脱粒してしまうため。
  ・最初の実が1/3くらい黒くなった段階(70日後くらい)で刈るのがいい。
   →先につけた実を長期間そのままにしておくと脱粒してしまう。

 (実践)
  ・蕎麦の刈り取りがうまくなれば鎌の使い方がグレードアップする。
   →蕎麦は折れやすく抜けやすいので手前に鎌を引くことがより大切になる。  
  ・根っこは残さないようにする。脱穀の時に土が混じらないようにするため。


 (刈り取り後)
  ・ある程度の太さに束ね、麻紐で縛る。
  ・束ねた蕎麦は脱粒しないように丁重に扱いながら、島を立てる。
   →束ねた蕎麦で三脚を作り、倒れないよう別の束でサポートする。
  ・2週間ほど乾燥させて追熟させる。
   →島立てにより蕎麦は刈られたことに気づかず水を吸い上げる。
      ゆっくり乾燥していくので茎の養分と水分で追熟していくことができる。


◆エンドウ、空豆、レタス、小麦の種まき

 ・いずれも冬草。
 ・レタスは15℃前後でないと発芽しない。元々寒くなったら発芽して越冬するから、旬は春。
   本来夏に種をまいても発芽しないから、秋レタスは不自然。

 (畑について)
  うまくいっている畑ほど冬草が生えている。
  夏草はしっかり刈って冬草を生やすことが畑を良くする上で大切。

 (エンドウ、空豆の種まき)
  ・最低気温が10℃を下回るくらいの時にまくといい。
   →早すぎると大きくなりすぎて冬を越せない。
     遅すぎると成長しきれず寒さに負けて枯れてしまう。
     →まくタイミングに迷うようだった何回かに時期をずらしてまけばどれか正解が出る。
  ・夏野菜がうまく成長したところでも十分な養分が必要。
   →夏野菜がうまく育たなかったところではうまくいかない。
   →一方、枝豆や大豆は夏野菜がうまく育たないようなところでもちゃんと育つ。
  ・収穫後に残ったとうもろこしがエンドウの仮支柱や空豆の防風になる。
   →エンドウは小麦と相性がいため、それぞれの種を1:1の割合でとうもろこしの根元
            (北側)に30cm間隔で5~6粒ずつかためてまく。
   →空豆はとうもろこしの間に50cm間隔で2~3粒ずつを同じ向きにそろえて(さやの中
            に入っている時のように)まく。

 

 (レタスの種まき)
  ・畝を立てる
  ・種が着地した時の間隔が5mmになるようにばらまく。
    ・土を被せ鎮圧し、刈った草をかけておく。




  ■畝立て手順(復習)
   ①畝を作る区画に生えている草を根元から刈る。
   ②スコップまたは鍬を使って根切りする。多年草の根は取り除いておく。
   ③通路にする場所の土を堀り上げる。
   ④畝に盛られた土を平らにしながら鎮圧する。
     元の土の固さに戻すことで土の二重構造をなくし、下から水があがってこれるように
     する。
     ⑤刈った草を畝と通路に敷く(元に戻す)
        ⑥秋に畝立てを行い来春から畑として使う場合は、米ぬかと油かすを1:1に混ぜたもの
            を補いとしてまいておくと、土が整い苗床にもなる。補いは草を敷く前でも後でもどちら
            でもよい。

   ※なぜ畝を立てるのか?
    →野菜は作物なので育ちやすい環境を作ってあげる必要がある。放置でもなく過干渉
      でもなく野菜がうまく育つのを助け見守る。

 (小麦の種まき)
  ・まずは種をまく区画の草刈りをしておく。
  ・種をまくラインにロープを敷き、ロープを目印にしながら鍬で溝を作っていく。
    その際、土を軽く横に流していくようにする。
  ・作った溝の根切りを行い、鎮圧する。
  ・溝に15cm間隔で10粒ほどの種をまいていく。
  ・横に流した土をかぶせ鎮圧し、刈った草を敷く。





◆種採り

 (ピーマン類・・・ピーマン、ししとう、唐辛子、パプリカ)
  ・赤く熟してから実を採り、さらに暖かい部屋で1週間ほど追熟させる。
  ・種を水に浸し、浮いた沈んだ種を選ぶ。(浮いた種は命が宿っていない)
   →ピーマンの種はかびやすいので、水に浸す時間をできるだけ短くする。
  ・ネットに入れてよく乾燥させる。

  (ナス)
  ・よく完熟させてから実を採り(花が咲いてから2ヶ月間くらい)、さらに暖かい部屋で
    1週間ほど追熟させる。
     ・種を取りやすくするためによくもんでおく。
     ・種を水に浸し、浮いた沈んだ種を選ぶ。
   ・ネットに入れてよく乾燥させる。

 




◆野沢菜の間引き
  間引いた野沢菜はそのままいただきました。美味しかったですね。

 
◆みんなの畑

  竹さんから、収穫・保存・調理方法についてのアドバイスをいただきながら楽しい収穫。

  ・ネギ…これから寒くなってどんどん美味しくなっていくので、11月に収穫した方がいい。
  ・春菊…強い霜にやられてしまうので、今のうちに収穫してしまうのがよい。
  ・ピーマン類…青いうちに採って袋に入れて冷蔵保存すれば2週間くらいもつ。
           初めに油をひかずに一度炒めておくと甘みが増して青臭さも出ない。
  ・大根、かぶ…持ち帰る時は葉っぱは切っておいた方がよい。そのままにしておくと葉っぱ
           が根の養分を吸って根がスカスカになり葉っぱも黄色く変色してしまう。
                  漬物にする時は2~3日干してからつけるとよい。
  ・レタス…持ち帰る時に水洗いしておけばしなっとならない。
        オリーブオイルやゴマ油をたらしたお湯で5~8秒くらいさっと茹でても美味しい。
  ・ トマトやとうがらし、ズッキーニなどもう収穫が終わった夏野菜は枯れてしまわないうちに
   切って敷いておけば生き物が寄ってきてくれる。 


<感想>

  10月中旬の安曇野は朝霜が降りるようになり、朝晩はかなり寒くなってきましたが、
  日中は暖かく、とても気持ちの良い2日間でした。
  自然農塾も残すところあと2回。11月は蕎麦打ちや味噌作りなどのイベントがたくさん
  用意されているようなので楽しみです。


レポーター:まこと