2014/11/16

あずみの自然農塾11月2日目


朝8時、田んぼに集合しましたが霜が溶けていなかったので、苗代作りは午後からの作業に変更しました。




  ※※※ 霜について ※※※
  • 霜や雪の溶け具合でその田畑の良し悪しが分かる。
  • 霜が降りていない、または早く溶けるところは地熱が高い。
  • 気温の変化が比較的緩やかである。
  • 生き物は気温が急激に上下することを嫌う。
  • 木の下など根っこが張っているところは地中の生き物が
  • たくさんいて、生命活動がさかんであり、
  • 地温が高いため雪や霜が溶けやすい。



◆ 米の脱穀

  • 現在の日本の米は、
  • 稲穂から落ちにくい品種になるように
  • 改良されてきた。
  • 刈った稲は稲架(はざ)かけして
  • 10~14日乾燥させ、
  • 水分量が16%程になってから脱穀。
  • 目安は生米を歯でかんでカリッと音がする位が良い。

○ 足踏み脱穀機


  • 足踏み脱穀機は事前にブルーシートなどで
  • 覆って霜が降りないようにする。
  • 薫炭などをまいて周辺の霜を溶かしてから作業する。
  • 足踏み脱穀機を動かすときは、まず手で
  • 歯を手前から奥へ回転させて勢いを付ける
  • 次にペダルを踏むが、
  • タイミングとしてはペダルが下がるときにだけ力を加えるのがポイント。
  • 勢いがついたらあとは一定のリズムで
  • 踏み続ける。
  • 最初は稲は押しつけず、ふわっとかぶせるように。
歯の手前の横木に稲束が当たるような角度で。

  • 稲束は回したり広げたりしながら。
  • 実の入っている籾は重さで
  • 垂れ下がっているので、よく見て
  • 実のある籾の所を脱穀する。

  • 良い例:楽な姿勢(ペダルのすぐ脇に立っている)

悪い例:無理な姿勢(長時間もたない)(^^;)

殻ばかりで実の入っていない籾(もみ)のことを粃(しいな)という。
粃はこの時点でもなるべく籾と混ざらないように気をつける。
最後に、脱穀したものをふるいにかけて大きな藁や草などを取り除く。


※ 足踏み脱穀機は現在でも入手可能。5万円くらい。(オークションで5千円~)


○ 唐箕



  • 脱穀した籾を唐箕の上部にあるじょうご口に移す。


  • 送風のためのハンドルを回し、勢いが安定してきたら少しずつじょうご口を開き籾を落とす。

ハンドルは軽く握った方が楽。

  • 各出口から出ているものを注意して見て、風の強さを調節する。

最も軽い藁はここから飛ばされる。


  • 2番口から出てきた籾は、改めて唐箕を使って選別する(未選別の籾には戻さない)

左の箕が1番口、右が2番口

1番口から出た籾。ずっしりと重い

風で飛ばされたワラと粃

  • ※今回籾を箕から袋に移す際、こぼしてしまうことが多かったので慎重にしなくては...。




◆ 大豆の脱穀


  • 大豆は、さやがパリっとなるまで乾燥してから脱穀。



  • 脱穀機にかける際は、豆がさやごと取られないように、やさしく歯に当てる。



立てかけた板や、たらいの壁に打ち付けて脱穀する方法もある


◆ 苗代
  • 土を熟成させるため春の籾まきの時期から
  • 逆算して約6ヶ月前のこの時期に苗代を作る
  • 苗代を作る場所は、昨年の稲の生育の良かったところ。
  • 昨年と同じ場所には作らない。そこだけ特殊な状態になってしまうので。
  • ポイントは日当たりが良いところと、
  • 取水口から離れて水が温まっているところ
  • 今年は田んぼの北東の角に作った。
  • 足で踏み固めてしまわないよう、幅は両手を広げて届く範囲に。
  • 畑の畝と同様、日当たりを考慮して南北に長く作る。


作る手順:
  • 1、大きさの目安になる棒を立てて
  • その外側にスコップ・クワを使って溝を掘る。(深さ20センチ強)
  • これはモグラやネズミの侵入を防ぐため。
  • 掘り起こした土は、田植え時の邪魔にならないよう溝のすぐ外側に置く。



  • 2、表面の草や稲の株を鎌で刈り、先程の掘り起こした土の外側に置く。



  • 3、落ちている草の種を取り除くため、
  • クワで前進しながら表面の土を薄く削る。
  • 削った土は溝に落とす。(角まで丁寧に削る)



  • 4、クワで根切りをしながら
  • 全体の高低差をなくす。その際、石や異物を取り除く。
  • なるべく近場で高いところから低いところへ
  • 土を移動して高低差をなくす。
  • この課程で表面の亡骸の層にムラができるので、留意しておく。
  • 全体が水平になるように、
  • 最後の仕上げには手を使って土を均等に広げる。
  • ごろごろした大きめの土の塊も細かくして広げる。



  • 5、手のひらで土の表面をたたき、元のような堅さに締める。
  • 6、米ぬかと薫炭を蒔いて補いをする。
  • 米ぬかは生きものを呼ぶので溝よりも外に蒔かないように。
  • 薫炭は逆に、炭の臭いで冬眠前のネズミの侵入を防ぐので溝の外にも蒔く。
  • 米ぬかは、4の作業で亡骸の層が薄くなったところには多めに蒔くなど、
  • 場所によって量を調節する。




  • ※一連の作業の間、
  • 苗代を踏み固めてしまわないよう配慮する。



  • 7、ワラを敷く。穂先を中央に向け、
  • そろえた根元を苗代の端にきれいに並べる
  • 鳥や動物の侵入を防ぐためワラに穂が残っていたら取り除く。
  • 穂から芽が出て来年の品種と混ざらないように。
  • 左右から交互に重ねていくのではなく、
  • 一方を敷き終えてからもう片方を重ねるように敷く。



  • 8、最後に、ワラが飛ばないように棒や竹などで押さえにする。
  • 押さえは苗代の長さに調節し苗代の両端と中央に置く。
  • 風が強い土地ではワラの上にさらに寒冷紗をかけることもある。

このまま春まで熟成。





◆ 今月の畑での作業
大根の葉を演じる竹内さん(右が収穫時)

  • 小豆・大豆はこのまま放っておくとはじけるので収穫した。
  • 春菊・ネギ・チンゲンサイなど葉物も凍って味が落ちるので収穫した。
  • ほうれん草やターサイは寒さに強いので次回の収穫でも良い。
  • 収穫は凍っていない午後の時間がよい。
  • 大根・かぶは土から顔が出ているところは凍って鬆(す)が入るので収穫した。収穫しないものは土寄せすると良い。
  • 山芋は霜が降り始めた頃が収穫時期とのこと。今回は収穫した。

小熊?による芋掘り

〈文責:田辺 一家〉